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2010年代「妖怪ウォッチ」の登場と「ドラえもん」の底力

 2010年代に入ると新たなキラーコンテンツとして「妖怪ウォッチ」が登場する。アニメ、ゲーム、マンガとクロスメディアを活用することで、子どもたちから大きな人気を得た。そして、ちょうどこのころ「小一」の付録にも大きな変化があったという。

2016年11月号付録 妖怪ウォッチ ドキドキコマバトル
 

「実は国鉄民営化までは、付録の材質などをその都度、認可申請していて、プラスチック製の部品などはつけることができなかったんです。なので基本的には紙を中心に組み立てる形式のものをつけていました。

 それが、2001年に日本雑誌協会の付録に関する規約が大幅に変更され、雑誌の厚み制限はありつつも、いろいろな材質の付録をつけることが可能になった。そのためプラスチック製の完成品のパーツを使った付録も増えてきました。ただ、それでも先ほどの『実際に自分の手で触れて、手を動かして組み立てる』という根本は変わっていません」

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 そしてこれまで長年、小学館の顔として活躍してきたドラえもんが再び注目を集め始めたのもこの時期だろう。リブート映画の公開などもあり一気に人気を高めたのだ。

2020年2月号付録 ドラえもんATMがたちょ金ばこ
 

「男女の別なく人気があるという意味では本当にドラえもんはスゴイ。親御さんたち世代も子どものころから接しているキャラクターですし、ずっと小学館の学習雑誌を支えてくれている存在ですね。これはATM型の貯金箱になっていて、子どもが『貯金してそこから使う』ということを学べるようになっています」