昴生 1回、作家にもMCの楽しさを説かれて。「話を振って、向こうが笑い取ったら気持ちよくない?」って言われたけど……それやったら、僕が笑い取りたいなって思うんですよね。欲がないのは昔から悩みで、親しい先輩に「僕ら、向上心なさすぎるんですかね?」って相談したことはあります。けど、今はもう悩む気持ちはない。自分たちのペースでやれるのがいちばんやから。
お客さんに認知されることの大切さを痛感
――そういう中で、新たに芽生えた気持ちはありますか?
昴生 痛烈に感じているのは、お客さんに認知されることの大切さ。スタートラインが違うから比べるのもどうかと思いますけど、劇場で中川家さんの名前が(舞台の大型ビジョンに)出たら、お客さんから“おぉ!”っていう声が上がる。(漫才師として)期待度がすごいんです。僕らはありがたいですけど、まだ“キャー!”。この差を埋めるために、追いつくためにはテレビに出て知ってもらうことは大事やと思ってます。僕らがちゃんと漫才をしていけば、いつかは“おぉ!”っていう声援に変わるやろうしね。
亜生 今後、落ち着いていくとは思います。
昴生 “キャー!”って、1回は経験しといたほうがいいとも思うんですよ。ミキのお客さんは若くてマナーが悪いみたいなことを言う人がいますけど、初めて来た人はマナーなんてわからんじゃないですか。初めて生で観られたら、“うわぁ!”とか言いたくなる。僕もライブで初めてTWICE観たとき、うわぁ!ってなったし。
亜生 TWICEと一緒にすんのはどうかと思うけど?
昴生 あははは! なんやったら、劇場に今まで来たことがない人が足を運んでくれることが嬉しいじゃないですか。もちろん、ずっと観に来てくれてる人もありがたいですけどね。
亜生 僕は正直、“キャー!”って言われることに抵抗はありました。お笑いやってるのに、スベったらなんでかわいそうって思われるねん、とか。
昴生 それを笑いにしたらよかったやん。そういうキャラがついてんねんから。
亜生 今思えばそうやけど、当時はめっちゃ嫌やった。
昴生 で、自分のキャラにないことを言い出すから、(ライブが)終わったあとに「違うよ? 間違えまくってるで」って注意してましたね。“キャー!”なんて言われる経験なんて、若手のうちだけですからね。そのおかげで、今、テレビにも出られてるわけですし。
――“キャー!”っていう感覚で観始めたとしても、漫才自体が大好きになってくれたらいいですよね。
昴生 そうそう。漫才自体が好きになってくれるなら、どんな人でも観に来てもらいたいです。
亜生 最近は特に、お客さんが落ち着いてくれつつあるなって感じます。漫才を聞いてくれるようになったのがめちゃくちゃありがたいです。
この状況を早く抜け出したいという気持ちが強かった
昴生 とにかく、今は充実してますよ。漫才でご飯を食べられてますからね。4年前のバイトしてた頃に比べたらなぁ?
亜生 あぁ、あの頃はヤバかった。給料日までに金ないぞ、とかありましたからね。