昴生 コンビニのATMでお金をおろそうとするんですけど、ピピーって鳴って。もしかして残高ないん?って、銀行まで記帳しに行くっていうのを嫁と何回やったか。借金を一度もせんかったんはラッキーでしたけどね。耐え忍びました。
亜生 っていうても、ぎりぎりですよ? あと1ヵ月、なんにもなかったら借金してたかもしれん。
昴生 ほんまに地獄でした。僕、立体駐車場の管理人のバイトしてたんですけど、その前を通るたびに、ゾワーっとします。夜中にやってたときと早朝にやってたときがあって、なんでその時間やったかというと急に仕事が入ったり、(先輩に)呼び出されたりせぇへんかったから。特に早朝はしんどかったなぁ。
亜生 僕は漫画喫茶のバイトを深夜にしてて。終わって、駐車場の前通ったらお兄ちゃんが入れ違いでいました。で、夕方にネタ合わせして、お兄ちゃんは早朝バイトのために寝て、僕はバイトに行くっていう生活でしたね。
昴生 あの頃は、この状況を早く抜け出したいっていう気持ちがむちゃくちゃ強かったです。
亜生 強かった。そうや。この前、久しぶりに外でネタ合わせしたんですよ。
昴生 あぁ、した! 麹町のビルの間。コンビニの前の道で。
亜生 あれ、なんかよかった。
昴生 昔を思い出した。2人でジュース買って、ガードレールにもたれかかりながら。
亜生 歩いてる人がめちゃくちゃこっちを見てくるから、漫才してるって思われへんように喋って。
昴生 亜生はネタ合わせやってバレるのが嫌なんです。やから、人が近づいてきたら、急にポケットに手を入れたりしてました。
亜生 ハズいじゃないですか(笑)。見られたら続けられへん!
昴生 昔はよく外でネタ合わせしてたなぁ。冬場の大雨の中、ネタ合わせの場所に集合して、ビショビショになりながらね。……懐かしいわ。
亜生 骨まで冷えながらやってたなぁ。100円マックを2人で買って。チキンのヤツとハンバーガーが当時100円で、ケチャップをめっちゃ入れてカサ増しして。で、家に帰って、白ご飯にこしょうかけて食うてた。米だけは実家から送ってもらってたからあって、ファンの人からもらったポテトチップスをくだいてご飯にマヨネーズと一緒にかけて食べてました。
「ここ、勝負どきやなっていうのがわかったんです。」
――辛かったでしょうけど、4年で抜け出せたのは早いほうですよね。
亜生 めっちゃ早いと思います。
昴生 ここ、勝負どきやなっていうのがわかったんです。今考えると、腐らんかったのがよかったんかもしれん。5upよしもとっていう劇場から漫才劇場に変わったとき、出番がなくなるかもっていう不安があったからか、みんな、気が緩んでたようなところがあったんです。亜生と「ここがチャンスや」って。
亜生 「今やな、頑張ろうぜ」ってなりましたね。