3年前、55歳で8歳と4歳の娘を抱える16歳年下のシングルマザーと入籍。とある事情で、発達障害児である長女と半年におよぶ父子家庭生活を送ることにもなった漫画家・渡辺電機(株)。

 当時の様子を描いた漫画『55歳独身ギャグ漫画家 父子家庭はじめました』をnoteで発表している彼に、同作では触れられていない結婚や育児のエピソード、ステップファミリーという家族のあり方などについて聞いた。(全2回の1回目、#2へ続く)

漫画家・渡辺電機(株)さん

離婚を勧めちゃった手前、責任を取らなきゃいけない流れに

――ふたりの娘を抱える16歳年下のシングルマザーとの出会いからお聞きしてもいいですか?

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渡辺 もともと、Twitterで交流をしていたんですよ。ファンの方がフォローしてくださっていて、気が向いたら返事をしたりしていたんですけど、そのなかに奥さんもいたという感じで。アユはまだ4歳か5歳で、次女が0歳か1歳くらいでしたかね。いろいろとアユのことを彼女が書いているのを読んで、「なんか面白い子だなぁ」と思ってはいましたね。

――奥さんと出会って、その次にお子さんたちと交流、という順番ではなかったと。

渡辺 最初から、お子さんとのセット。奥さんはまだ、前のご主人と結婚もしていました。あくまで、娘さんのいる僕のファンの方とTwitterで交流していたという感じ。そのうちに、ご主人とうまくいっていないというか、家庭環境が非常にギスギスしているというのが漏れ伝わってきたわけです。いろいろと知るうちに「子供にとっても、あんまり良い環境ではないな」というのを感じましたね。

「それ、別れたほうがいいんじゃないの?」と言ったら、他にも色々な事情がかさなって、結局本当に離婚して。なんか離婚を勧めちゃった手前、自分のなかでなにかしら責任を取らなきゃいけない流れになっちゃって。「じゃあ、よかったらうちに来たら?」みたいなことも言ったらば「えっ、本気にしてもいいんですか?」と。それでサーッと話が進んで、僕と結婚しちゃったんですけど。

 

ふたりっきりは自分には絶対に無理

――ちなみに、「うちに来たら?」と誘った時点で、奥さんと直接会われたことはあった?

渡辺 なかったです。

――責任としては、なかなかの重さではありますね。

渡辺 責任を取るというよりは、「まぁ、いっか」みたいな感じ。ほんと、流れですよ。

 ただ、新婚生活というか、ふたりっきりでいる期間というのが自分には絶対に無理だなとも思っていて。恋愛とか、ほんと好きじゃないというか面倒くさいというか、ああいったムードがとにかく苦手で。女の子と付き合っても、まず長続きしたことがなかったんですよ。