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――子供になつかれる、なつかれないは、シングルマザーと結婚するうえでは大きな問題ですよね。

渡辺 まぁ、なつかれたぞという妙な達成感はありました。どうやって彼女たちの懐に入ろうかなと、けっこう考えてはいましたからね。連れ子のいる女性と結婚した他の人の話を聞くと、やっぱり子供がなかなかなつかなくて大変らしいので。ラッキーだったのか、僕になにかしらの力があったのかはわからないですけど。とにかく、スーッといけたのは助かりました。

――すでにアユさんが発達障害児童であることはご存知だったんですね。

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渡辺 ええ。注意欠如・多動性障害、ADHDです。放っておくと、勝手に料理を作って、火をつけっぱなしにしてどこかに行ってしまっていたり。そういう子だとはTwitterでの妻とのやりとりで知っていたし、子供って大なり小なりこんなもんだろうと思えるところもあったし。あんまり、気にはならなかったですね。

 

最初の頃は頬がこけるくらいゲッソリ

――4月のクラス替えに合わせ、アユさんだけ先に東京に来させたことから渡辺さんとの父子家庭生活が2018年3月から始まります。生活の場になったのは、以前から渡辺さんが暮らしていた部屋ですか?

渡辺 それまで、僕は実家の離れに暮らしていたんですよ。そこで家族4人で暮らせるかなと考えたんですけど、さすがに六畳一間では厳しそうだったので、アユが来るタイミングで部屋を借りました。もう小学校も決まっていたし、新年度開始の1週間前から学童保育も始まるので手続きをしなきゃいけないで、えらく慌ただしかったですね。

――父子家庭の期間は、やはり漫画は描けませんでしたか。

渡辺 初めは描けなかったですね。ただ、学校が始まると学童保育も含めて8時間近くは帰ってこないので、だんだんとその間に仕事ができるようになっていきました。でも、とにかく疲れるし、体力がもたない。最初の頃は頬がこけるくらいゲッソリしちゃって、僕の両親が本気で心配していました。