文春オンライン

「なんなんだこれは?」素人夫婦が独学と自力で作った巨大要塞“沢田マンション”を探訪してみると…――2020 BEST5

2021/05/25

genre : エンタメ, 社会,

高級タワマンでも実現されていない画期的な構造!

 そんな沢田マンション最大の見どころは、なんといってもスロープだろう。

 立体駐車場のように取り付けられたスロープで、車に乗ったまま2階3階の玄関先まで乗り付けることができるのだ。さらにマンション内を突っ切って裏手に回り、4階5階まで繋がっている。

入口から5階までつながる驚異のスロープ ©あさみん

 こんな仕様、高級タワーマンションでさえも未だに実現されていない画期的なアイデアだ。この日は上階の住民が自転車に乗ったままスロープをシャーッと駆け下り、そのままノンストップで気持ちよさそうに出掛けて行った。

ADVERTISEMENT

建物内には“隠し階段”も!

 さらにもうひとつ、ひときわ存在感を放っているのがリフトだ。

増築をするうえで不可欠だった資材を運ぶリフト ©あさみん

 もちろんこれも手作りで、資材を運ぶために使われている。さらにリフトの下には地下への隠し階段が現れ、「多目的ホール」と書かれたスペースへと繋がっている。意外なところに意外なものがあり、発見するたびに驚きがある、さながらここは忍者屋敷のようだ。

リフトの下に見える地下への階段 ©あさみん
隠し階段の先には「多目的ホール」が ©あさみん

 また、インテリアのようになにげなく置かれた発動機にも注目したい。

 製材機を動かし、地下水を汲み上げるポンプを動かしと、マンション建設における様々な場面で活躍してきた実物で、コレクションは40台にも及ぶ。

建設の心臓部を担った発動機 ©あさみん

 壊れては直しを繰り返してきた発動機。沢田マンションは、この発動機があったからこそ、増築を重ね、現在の迫力溢れるマンションを作り上げることができた。目立たないが、とても大切にされていることがよくわかる。