爆速で翻訳ができて、海外進出が楽になるサービスが軌道に乗っている

「今、翻訳ソフトで英語や日本語の翻訳ができるようになりました。碁などでもロボットが人間を打ち負かしています。それでもロボットはそう簡単に翻訳できるわけではありません。ロボットは字にこめられた意味を理解できません。AIによる自動翻訳は相当に難しいと思うのです」

……ごもっともな話で、首を赤べこのように何度も縦に振りたくなります。

 しかし、中国発の翻訳AIの企業が中国の膨大なネット小説を海外に向けて翻訳し、それが世界で売れてるという、常識がくつがえされる話が出ています。何があったのでしょう。

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 中国にfunstory.ai(推文科技)という翻訳サービスを提供する会社があります。 中国テック・スタートアップ専門メディアの「36kr Japan」は、「毎秒1000字アウトプット可能、AIの超高速翻訳で中国ネット小説を世界へ」という記事でこう紹介しています。

 翻訳の効率と質を向上させるため、同社は2018年7月にネット文学のAI翻訳システムを開発。同システムにより翻訳業界の効率は3600倍に向上するという(1000字を翻訳するのに人間だと1時間、AIはわずか1秒)。そして100万字を翻訳する場合、人間では10万元(約150万円)かかるところがAIでは1000元(1万5000円)で済むため、コストを従来の1%にまで抑えることができる。

 

 同社のプラットフォーム「funstory」は1秒あたり1000字のアウトプットが可能。人手による校正は不要で、翻訳の品質はまもなく出版可能なレベルに達するという。ワンクリックでKindleやGoogle ブックス、Applebooksなど50社近くの海外大手デジタル出版プラットフォームに発表することが可能だ。

 

 童氏(同社CEO)によると、ネット文学関連企業はfunstoryを利用することで、多言語翻訳からデジタル出版、収益化まで一貫したサービスを受けられる。現在、連尚文学、「掌閲科技(IReader Technology)」、「縦横文学(Beijing Huanxiang Zongheng Chinese Literature)」、「磨鉄閲読(Motie.com)」「味咕閲読(Migu Reading)」など20社近いネット文学の大手企業がfunstoryを利用している。2019年7月時点で、同プラットフォームが1日に更新する英文小説は2600本を超え、1日あたりの更新本数は業界1位となっている。

  つまりは爆速で翻訳ができて、海外進出が楽になるサービスが軌道に乗っているわけです。