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富裕層のライオンズファンのみが楽しめる“秘密のVIPエリア”に潜入

文春野球コラム ペナントレース2021

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まさかの2食!おかわり2回戦が可能なブッフェエリア

 つづいてブッフェエリアへ。手指消毒・マスク着用・手袋着用と衛生面に配慮のうえでエリアに立ち入ると、まさしく「ホテルのブッフェ」が球場内に広がっています。座席はゆったりとした配置で、席間にアクリル板なども設置されており、心理的にも安心して楽しむことができる空間となっています。試合開始前から試合終了まで好きなときに、好きなだけ、好きなものを食べることができるブッフェには、バックヤードにあるキッチンから出来立ての料理がひっきりなしに運び込まれています。野球場の弁当とかにありがちなヒエヒエの出来合いではなく、ホカホカの出来立てです。

 この日の料理はクラゲ中華風サラダ、蒸し鶏のねぎソース、生ハム・サラミ等の盛り合わせ、フレッシュサラダ、サーモンカルパッチョ、オニオンスープほかスープ類、唐揚げほか各種フライ類、野菜フラン、グラタン、スクランブルエッグ、野菜のシュークルート(煮物)、ボイルドソーセージ、焼きそば、点心、カレーライス、各種パン、ミックスサンドといった顔ぶれ。デザート&ドリンクコーナーにはプリン、ゼリー、パウンドケーキのほかフレッシュフルーツの盛り合わせ、コーヒー・各種のソフトドリンクが並び、さらにスペシャリティを提供するカウンターでは目の前で仕上げる蕎麦が出されていました。追加料金を支払えば寿司やステーキなどもいただけるとのことで、「野球場=唐揚げとポテトフライ」という固定観念ごと吹き飛ばされるようです。

 特に感動したのはフルーツの盛り合わせです。新鮮でよく冷えたフルーツを野球場でいただくと、こんなにも贅沢な気持ちにさせられるのかと思いました。他球場でもかき氷のうえにミカンやパインを載せたものが提供されていますが、缶詰という感じは否めませんでした。しかし、このラウンジでは生のフルーツを剥いて出してくれるのです。結果として食べているのは同じミカンとパインだったとしても、気分は格段の違いです。季節ごとの訪問も楽しみになってきますよね。夏はスイカが出るんじゃないか、秋はぶどうが出るんじゃないか、などなど。

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さぁ、お好きなものをお好きなだけ召し上がってください。
野球場でも生のサーモンがいただけるんです、そう、富裕層ならね。

 通常、ブッフェというと90分とかの時間制限があり、一回の食事を楽しむのがせいぜい。豊富な品数を揃えてもすべてのメニューを楽しむことはなかなかできません。しかしこちらのブッフェは野球観戦という長丁場に対応しているため、試合開始2時間前の営業開始にあわせて早めの1食目をいただくと、8回・9回にはもう一回おなかが空いてきて、まさかの2食目を楽しむことができるのです。

 料理もそのあたりを意識してか、キッチンから運び込まれるパンの種類やデザートの種類が少しずつ入れ替わっており、2食いただいても飽きないような工夫をしている模様。富裕層には「全部の料理をちょっとずつ取って全種類食べたろう」といったせせこましいことをするイメージはありませんが、2食楽しめるなら自然と全種類制覇も成し遂げられるはず。庶民も富裕層も、みんなブッフェのおかわりくん&よくばりくんになれるのです。

 テーブルについて食事をするとき、視線を外に向ければありのままのグラウンドが見えます。野球場にありがちな「フードを買ったり食べたりしているときはモニター観戦を強いられる」ということが、このラウンジにはありません。バーエリアも含めて、居ながらにして生の野球が見られるようなレイアウトになっているというのは、まさしくプレミアム空間だなと思います。ブッフェサービスは、当面はプレミアムエキサイト™ シートを年間で購入している真の富裕層のみが利用できるそうですが、人生の新たな目標を得た思いです。「いつか富裕層になって、またブッフェに行くんだ!」という。

一度はここで試合を観るべき、エキサイティングなシート

 そして、いよいよ最奥のプレミアムエキサイト™ シートへ。ホームベース後方、ネクストバッターズサークルからわずか数メートルという場所で、球音を自分の耳でリアルに感じられるエキサイティングな座席は、まるで自分がプロ野球解説者にでもなったような気分で観戦ができます。左右両端の座席はベンチのすぐ横に位置しており、選手たちの息遣いまで聞こえてきそう。逆にコチラからの「うーん」「起用法がおかしいですねぇ」「ほーら打たれた」といった解説コメントも届いてしまいそうで、大声を出しての応援は慎んでいきたいところ。

 座席そのものはバックネット裏でも採用されているソファータイプのもので、1試合ずっと座っていても蒸れず、疲れ知らずの快適さ。視界は地面に近いところから見守る「キャッチャーの視界」となっており、投手の球筋を見極めつつ、バックスクリーンを確認するのにも不都合ありません。また、この富裕層専用のモニターも設置されており、実況・解説のコメントやリプレイ映像もしっかりとチェックすることができます。

 グラウンドに直結する通路とも扉一枚隔てただけの構造ですので、「選手がラウンジを通って富裕層にあいさつしてから帰る」のはもちろん、「富裕層がラウンジからグラウンドに出て選手たちを労う(※孫正義さんのイメージで)」「ラウンジ専属のブルーレジェンズが富裕層の応援を盛り上げてくれる(※おひねりはお控えください)」といった体験にも期待がもてそう。とにかく何もかもが素晴らしい夢のような空間。これならどんなに壊滅的な試合展開でも、試合が終わる前に帰りたくなるようなことはないでしょう!

冷えたフルーツを食べながらソファーで野球を見る、ようこそ富裕層の世界へ。

 さて、ここでトレビアンなお知らせです。今回ご紹介しましたパラダイスのすべてを堪能できるプレミアムエキサイト™ シートは、シーズンシートで完売の場合は庶民には座席がまわってきませんが、余りがあればバラで購入することもできる仕組みとなっております。2021年価格では最安1万7500円から。1万7500円でホテルブッフェ2食(※川越プリンスホテル価格で7000円相当)とプレミアム野球観戦(※バックネット裏価格で1万2000円相当)が楽しめるだなんて、とってもお得ではないでしょうか。

 また、埼玉西武ライオンズは公式リセールサービスにおいてシーズンシートのリセールを認めていますので、富裕層が行けなくなった日にはチケットのおこぼれにあずかることも可能です(※実勢リセール価格2万円程度)。シーズンシートをバラ売りして小銭を回収するような富裕層はあまりいないとは思いますが、ときおり出品が見受けられますので、機会がありましたら、ぜひ夢の野球観戦をお楽しみください。

 ただし、あくまでもコチラのラウンジは年間550万円払っているシーズンシート富裕層様や、アメリカン・エキスプレスのゴールドまたはプラチナランクカードを所有されているアメックス年会費富裕層様をお迎えするためのVIPエリアですので、くれぐれも粗相のないようにお願いいたします。「せっかくだから食べられるだけ食べよう」「ウッ……食べ過ぎた」「ドボドボドボドボ」みたいなマインドの方は富裕層にはいませんからね。出掛けるときは、慎みを忘れずに。

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