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2021/05/08

source : 文春文庫

genre : エンタメ, 芸能, SDGs

人のせいにする暇があったら自分を磨く

──ストイックに待ち続けるって、結構しんどくないですか。

松本 どうでしょう。それしか自分が進みたいところへ行ける道がなかったので、しんどいのは当然だと思ってました。なにもしないで待つのではなく、自分のすべきことを準備し続けて待つのは、とてもいい鍛錬になりました。今、この先どんな困難が来てもこの時以上はないと思ってやれています(笑)。

 私が主演をやる日が来るかどうかも分からないし、そもそもそんな日がくる気配は微塵もなかったんですけど、もし仮にパラレルワールドがあったとして、私が主演ドラマとか主演映画とかやるような世界があったとしたら、そこにいられる人なのかどうか、というのは常に意識していました。現実世界では負け続けの人生でしたが、パラレルワールドの私は、主役を演じられる人間でいる。そういう魅力を持ち続けている。そんな妄想を支えに待ち続けました。

ドラマ『最高のオバハン』では、中島ハルコ(大地真央さん)の陰にいる役どころ

──「私を理解しない世間が悪い」というふうには考えなかった?

松本 まさか! そんな風に思ったこと一度もないです(笑)。誰かのせいにするのって簡単なんですけど、それでは何も解決しないんです。デビュー作以降売れない時代が続いた当初は、「事務所がちゃんと売ってくれないんじゃないか」と思ったこともありました。でも、結局そういう状態を引き寄せているすべての元凶は自分にあると気づいたんです。

 自分が輝ける唯一無二の存在になれば、自然とまわりにサポートしてくれる人が増え、使いたいと思ってくれる人も増えるはずです。

 人のせいにする暇があったら自分を磨いた方がいい。それに、全部自分のせいにすると、確実に成長できます。だから長い目でみたら、そちらの方が人生得なんじゃないかと思っています。