2.働き方を変える
特定の美容室の従業員ではなく、フリーランスにシフトする人もいます。「面貸し」や「業務委託」のスタイルが定着したことで、子育てや副業など、働き方の比重を変えることができるようになりました。
簡単に言うと「面貸し」は美容師が美容室から1席を借りて、自分が抱える顧客を相手にするスタイル、「業務委託」は美容室から接客をすることを専門に美容師が雇われて、報酬を得る形です。
どちらも「従業員」ではなく「個人事業主(フリーランス)」として仕事に応じた報酬を貰い、今までのような会社との主従関係ではない、対等な関係で仕事ができます。拘束時間に縛られることもなく、副業や家事、子育てや趣味などの時間を、その人が案分することができます。
ですが、一度フリーランスにシフトすると、拠点とする美容室が変わるため、お客様からすると通いにくくなることも多いです。
3.美容師を辞める
若いうちに辞める美容師の場合は、体力面や精神面での無理がたたった末のリタイアが多いです。ですが、長く続けていた美容師が辞める場合、経済的な理由が絡むこともあります(詳しくはこちら)。
多くの美容師は歩合制でお給料を得ています。お客様に「指名された売上」(業界では「指名売上」と呼びます)によって歩合は増えていきます。
昇格、昇進などが少ない美容師にとって、「出世」とは顧客を多く抱え、売上をあげることです。「指名売上」はその美容師の人気度の指標となりますが、反対に結果を残せない美容師は、収入を満足に増やすことができません。
お客様が「またこの美容師さんに切って欲しい」と求める要素には、「技術」だけでなく、「キャラクター(人柄)」もあります。
美容師は人気商売です。長く続けるうちに、後輩に先を越されたり、家族を養っていく上での経済的な不安を感じるなど自分の限界に直面しやすい。技術とキャラクター、どちらかの能力は円熟していても、もう片方の能力は壁にぶつかりやすいとも言えます。