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バッハ会長来日までに、形だけでもウイルス拡大を抑え込みたい

 そのような話であるので、今回3回目の緊急事態宣言と相成りました。報道でもさまざまある通り、5月中旬にIOC(国際オリンピック委員会)のバッハ会長が来日する日程が組まれているので、それまでの期間に、形だけでも何とかこの変異ウイルスの拡大を抑え込もうという政治的思惑があるのだと予想されています。

 もちろん、政策の現場や公衆衛生をやっている人たちからすれば、いま目の前のコロナ感染者が急増して大阪では医療崩壊を起こしてしまっているので、オリンピックに関係なく緊急事態宣言を打つのは当然とも言えます。

 ところが、実際に感染してから重症化するまでに2週間近くかかるといういままでの治療事例や、「全国で、1日100人以下の新規感染者数」という理想的なレベルまで抑え込みをするためには、どう考えても3週間を予定している今回の緊急事態宣言ではスケジュール的に無理だろうと見られています。「なんで5月中旬に緊急事態宣言を切り上げる必要があるの?」と言われれば、「まあ、バッハ会長が来てまうからやろなあ」とみんな思ってるわけです。

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五輪が中止になったら、3,500億円が税金から支払われる?

 そして、緊急事態宣言においては、不要不急の活動・事業に関しては、感染拡大を防ぐために見合わせるよう「お願い」が繰り広げられています。文化的活動や、友人知人や同僚と語らう飲食は不要不急の典型であるということで、真っ先にお上から「控えろや」と言われる運命にあります。

 そういう不要不急と名指しされた飲食やエンタメは干上がることを意味する一方、国民の不要不急な活動を控えた結果、開催されるのが不要不急のラスボスのような東京オリンピックであることは論を俟ちません。不要不急を我慢した結果、凄い不要不急のイベントであるオリンピックが開催されてしまうという、進撃の巨人並みの理不尽なオチが待っているのは圧巻です。

 国ぐるみで悪い冗談を繰り広げているようにも思うわけですが、今度は小池百合子さんに仕える若い都議の人が「オリンピックが仮に中止になったら、3,500億円の損失が税金から支払われる」と危機感を持ってツイートしてたりするんです。「都民ファースト」からいつの間に「オリンピック強行開催ファースト」に転向したんでしょうか。