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お笑いはプロの芸があってこそ成立するもの

――EXITの兼近大樹さんは「お笑いはサーカス」、「(一般人が真似したら)ケガするに決まってる」と発言していました。

EXITの兼近大樹 ©AFLO

鈴木 本当にそうだと思います。お笑いはプロ同士だからこそ成立するものなんです。逆に言えば、一度思い切って真似してみるのもいいかもしれないですね。知り合い同士の場ではなく、一般のお客さんが入るインディーズライブに出てみたり、プロも参加する賞レースで試してみたりすると笑いの難しさを肌で感じると思いますよ。

この状況でも「プロの技」を感じる芸人は

――「子供が真似するのが困る」という意見も、「見たくない」派から多く寄せられました。

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鈴木 芸人の真似をした子供が他人の容姿をイジって、傷つく子が現れるという懸念だと思うのですが、正直お笑いのネタと子供の道徳観がどれほど関係しているかは疑問です。子供っていろんなことを真似して、失敗したり成長したりするものじゃないですか。お笑いに限らないと思うんですよ。今に始まったことではなく、「8時だョ!全員集合」(TBS系)の頃から、「子供が真似するから止めてほしい」という保護者たちの意見はありましたしね。

志村けん ©文藝春秋

――その結果として、性的なコントや強く叩くようなツッコミは姿を消しました。そして今、容姿ネタを問題視する人が増えてきました。

鈴木 それはありますね。容姿に言及すること自体に敏感になっているんだと思います。

――そんな状況でも容姿ネタで笑いを生む「プロの技」を感じる人はいますか。

鈴木 ぼる塾のあんりさんでしょうか。彼女は父親が元暴走族、母親が元レディースというヤンキー一家の育ちで、お笑いの世界に入るまで“ブスイジり”をされたことがなかった。吉本の養成所時代に「ブスを無駄にするな」と講師に言われて、自分は“ブス”なのかと驚いたそうです。そこから積極的に容姿をネタにしていったら、どんどん笑いが取れるようになったと。