もっとも危険度が高いのは、親のアカウントを貸すこと
――聞けば聞くほど怖くなります……。親がやるべきことはありますか?
佐々木 こういう話をすると、「危険だから子どもにスマホは持たせないほうがいい」と考える親もいるかもしれません。でも今、中古のスマホならメルカリで安く手に入ります。親が使わなくなったスマホを隠れて持ち出して、Free-wifiがある場所で利用して、犯罪に巻き込まれる子もいます。
今はGIGAスクール構想で、小学生にも1人1台タブレットが配付される時代です。中高生になると、部活や友だちとの連絡網にSNSやLINEを使っている子も多いですよね。未成年だからといって、スマホを利用禁止にするのは不可能なのです。
となると、まずやるべきことは、有害サイトをブロックしたり、閲覧制限のフィルタリング設定をしたり、利用時間を制限することだと思うかもしれません。もちろんそれもやったほうがいいですが、ネットの世界に、「こうすれば安全」という方法はありません。どんなに制限をかけたところで、抜け道がないとは限らないからです。もっとも危険度が高いのは、親のアカウントを貸すことだということも、知らない人がほとんどです。
スマホを持つことのリスクや危険性を正しく教えること
―― 原則として、13歳未満の子どもはアカウントをつくれませんので、自分のアカウントを貸している親御さんは多いでしょうね。
佐々木 多くの親は子どもに自分のスマホを与えたり、親のアカウントでゲームをやらせています。でもそれが、子どもと見知らぬ他人が接点を持つきっかけにつながるんです。
一番リスクが少ないのは、iPhoneであれば「ファミリー共有」、Androidなら「Googleファミリーリンク」で、子どものIDを親が管理できる共同アカウントをつくることです。その上で、「あんしんフィルター」などのフィルタリング機能を設定して、アプリのインストールやゲームの課金も、親の許可がなければできないようにしたほうがいいでしょう。
それでも安心はできません。次に親がやるべきことは、スマホを持たせないことではなく、スマホを持たせたうえで、リスクや危険性を正しく教えることです。スマホによって未成年が被害に遭う事件をニュースで見たら、子どもと話し合って、どうすれば犯罪に巻き込まれないか教えてあげてください。わいせつな写真が一度ネットで公開されたら、デジタルタトゥーとして一生残ります。だから絶対に、自分の裸の写真は撮らない、撮らせないということを、親は子どもにしっかり伝えてあげてほしいです。
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