承認欲求から自撮りの性的画像を送る女子高生
―― 自分から犯罪者にアピールするような行為ですね。
佐々木 元人気YouTuberのワタナベマホトさんが、児童ポルノ法違反で逮捕されたときも、当時15歳の女子高生にわいせつ画像を送らせました。あの事件も、有名人に裸の画像を送って自分を認めてもらいたいと思う、思春期の女の子の承認欲求を利用した悪質な手口ですよね。
一般人のケースでは、「児童買春・児童ポルノ禁止法違反」で逮捕された30代の男性の例で、SNSで女子中学生に近づくため、同性の同級生になりきってやりとりしていました。交流を続けて仲良しのフリをしながら、インターネットで入手した別の女の子のわいせつ画像を送り、「私も送ったからあなたも見せてよ」と裸の写真を送らせたのです。その男のスマホには、数百枚の未成年のわいせつ画像が保存されていました。
本にも書きましたが、46歳の男性が、19歳のイケメンモデルになりすまし、ネット掲示板で知り合った中学生1600人とやりとりして、そのうち100人以上が自撮り性被害に遭った例もあります。
児童ポルノ法違反は単純所持、製造、提供がほぼワンセット
―― 中高生は異性と付き合いはじめる子もいるので、恋愛相手の裸の画像を撮ったり撮らせたりする子もいるかもしれません。被害者はもちろん、加害者にならないための子どもへの教育も必要です。児童ポルノに関連する犯罪の種類と罰則も、簡単に教えていただけますか。
佐々木 18歳未満の児童の裸やわいせつな写真画像をスマホに保存していると、「単純所持」による児童ポルノ禁止法違反。未成年に裸の写真や動画を撮らせて送らせたり、自分で撮影すると、「児童ポルノ製造罪」。どれも懲役もしくは罰金です。
旭川で凍死した少女をイジメた加害者たちのように、児童ポルノをSNSでシェアしたり、インターネット上で不特定多数の人に閲覧させると、成人であれば5年以下の懲役もしくは500万円以下の罰金が科せられる犯罪になります。
過去につき合っていた異性や、元配偶者の性的画像や動画をインターネット上に無断で公開すると、「リベンジポルノ防止法違反」で3年以下の懲役または50万円以下の罰金です。ただ、児童ポルノ法違反で捕まるケースはほとんど、単純所持、製造、提供すべてがワンセットになっています。つまり、それだけ罪が重くなるんですね。