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結婚12年目、別姓に向けてペーパー離婚へ…人気モデルが1週間、夫に家事を任せて起きた「変化」

牧野紗弥さんインタビュー#1

2021/05/20

『VERY』モデルの牧野紗弥さんは結婚12年目となる今年、夫婦別姓に向けてペーパー離婚をし、事実婚で新しい家族のかたちをスタートさせるという。3人の子どもを持つ母でもある牧野さんに、決断の背景を聞いた。(全2回の1回目/#2を読む)

牧野紗弥さん 

苦しかったのは夫婦関係が平等じゃなかったから

――結婚12年目の今年、法律婚から事実婚へシフトしようと思ったきっかけはなんですか。

牧野紗弥さん(以降、牧野) 共働き夫婦ですが、2年前まで私が3人の育児・家事をほとんど抱え込んでいました。いっぱいいっぱいだったその時、女性学者の上野千鶴子さんのインタビュー記事を読み、「私が苦しかったのは夫婦関係が平等じゃなかったからだ!」と気づいたことが大きいです。

――「平等ではない夫婦関係」とは具体的にどのような状態でしょうか。

牧野 3人目が生まれて小学校、幼稚園、保育園と、全員を違う場所に送り届けることになってから、夫とケンカが絶えなくなりました。私一人では家事・育児を回しきれなくなっていたんです。

 長女の習い事が終わるのは19時。その娘をピックアップして、夕飯の買い物をしてご飯を食べはじめるのが20時。でも下の子なんて小さいから寝ちゃってて、「起きて~」とかやりながらなんとか食べ終えて。そこから小学生のランドセルを開くと、明日学校に持っていかなきゃいけない三角巾やら消しゴムやらが判明する。「今Amazonで頼んでも間に合わない!」と、コンビニまで走って買いに行って……。

 そんなことを毎日やっていたら、キャパオーバー過ぎて涙が出てくるようになりました。どんどん笑えなくなって、頭の中は常にパンク状態。それでも当時の私は「家事・育児は女の仕事」と思っていたので、どうしていいかわからなかったんです。

 

11年前、子どもが「夫の家の孫」扱いされたことにモヤモヤ

――その時、牧野さんの夫は?

牧野 彼の平日の役割は、朝に子どもを保育園、幼稚園へ送っていくことの一点。どれだけ前の晩遅くなっても9年間必ずやってくれているのですごくありがたい。でも当時ママ友から「さやちゃんの旦那さん、すごいよ。めちゃくちゃ協力してくれて」と言われると、育児家事の多くを私が負担しているのになぁとモヤモヤ。

 そもそも11年前に長女が生まれた時、子どもが「夫の家の孫」扱いされることに違和感を感じていたんです。結婚して夫の姓になると、私と夫の子どもでも「夫の家の子」になってしまうのかと、割り切れない思いでした。

 母からも「あなたは嫁に行った人間なんだから」と言われたように、自分が生まれ育った姓を捨てて相手の名字を名乗るということは、相手に所有されることなのかもしれない、と感じました。夫自身もそういう風に考えているフシがあったので、「私はあなたの便利屋じゃない」と言ったこともあったんです。