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1週間全部、家事・育児をやってもらって変化が起きた

――そこからどうやって夫婦間の不平等を改善していったのでしょうか。

牧野 「俺だって家のことはやってる」「私だって」という平行線の言い合いが続いていた2年前、夫がポロッとこぼしたんです。「言われたことはやれるけど、言われてもいない“やってほしいこと”を想像するのは無理だよ」と。そこで1週間全部、家事・育児を夫にやってもらうことにしました。そこからは話が早かったですね。

 

――1週間を経て夫婦はどう変わりましたか。

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牧野 夫から「はじめて全体を俯瞰して見られて流れを掴むことができたから、あと1週間延長させてほしい」と言ってきたんです。合計2週間すべてをやってもらった後は、夫の家事・育児に対するコミットメントが格段にアップしました。

 私自身、彼に家事・育児の全貌を見せていなかったことにも気がつきました。ある一部分だけを“お手伝い”させていた自分のやり方にも問題があったんです。「家事・育児=女の仕事」という無意識のバイアスによって、なんでも一人で背負い込んでいました。

 それからは私も割り切って、まるごと夫にお願いをしています。たとえば息子のサッカーチームのことであれば、LINEグループに夫を招待して私は抜けるというような感じで、今では夫婦間で家事・育児の共有と分担を進めていくことができています。

夫婦別姓の話し合いは去年から

――家事・育児の平等負担が、夫婦間のジェンダー平等につながっていったんですね。夫婦別姓の提案は牧野さんからですか。

牧野 そうです。夫とジェンダー平等の意識を共有できたと感じた去年の秋から話し合いをはじめました。もともと名古屋の実家が牧野家の本家だったので、祖母はずっと「牧野姓を残してほしい」と言っていたんです。

 

 実は25歳で結婚となった時、夫の両親に「結婚を考えていますが、名字は変えたくありません」と、事実婚を希望している旨を話していました。でも義父母は「何を言ってるの?」という感じで、味方だったはずの夫も黙ってしまい、結局、事実婚は叶いませんでした。

 でも当時の夫や義理の両親を責める気はありません。多くの人にとって「女性は結婚したら夫の家に嫁ぐ」のが当たり前だったわけで、今まで考えたことがないだけなんだと思います。それに当時は私自身も知識不足で、度胸も行動力もありませんでした。