「濃さ」をバラエティに求めている
——最後に、2021年のテレビって、中島さんにはどのように映っているのかなと。
中島 難しいですよね。東京の番組が全部見れるわけじゃないんで。大分のテレビ見てるだけでそんなコメントをしていいのかどうか。
大分のテレビ局の人に「チャンネル増やしてくれ」って言ってるんですけど(笑)、やっぱり大分の人の好みもあるんで。『相棒』や『科捜研の女』の再放送、2時間ドラマ、あと東京にいたら聞いたことないと思いますけど、地元ローカルの『ゆ〜わくワイド』や『かぼすタイム』とかが強くて、いい時間に放送されてて。
——テッパンですね。
中島 さっきも言ったけど、自分はお笑い論ってあんまり好きじゃなくて。「お前が言うな」みたいにずっと思ってたんで。自分はそもそもネタをあんまり作ってないから、作ってる苦しみを知らないのに、それを無視して「こうでああで」とか言うのは当時でも避けてましたね。
ただ、私はおそらく「濃さ」みたいなものを求めてバラエティを見ているんですよ。
——濃さ。
中島 濃さ。単調さを嫌う世代ではあるとは思ってますね。私の出ていた時はまだ、テレビって単調がすべてだったので。でも時々その中に「濃すぎるやろ」みたいなものが混じってくる。当時のダウンタウンみたいな。
私、昔から『パタリロ!』っていう漫画が好きで、この間『パタリロ!』がまだ続いてることを知り、嘘やろ、と思ってまた読んでみたんですね。そうしたら、吹き出しのセリフが絵よりも多くなってたんですよ。その時点で私の知っている『パタリロ!』じゃない、と違和感を覚えちゃって。
あの頃はセリフの代わりの「間」があって、そこで色々と想像できてたんですよね。昔のパタリロは濃かったんだなって。セリフも少なくシンプルだけど、濃い。いや、でも私が『パタリロ!』の進化についていけなかっただけかもしれませんけどね。