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正しく鍼を扱えるようにならないと

 映画的要素がいっぱい詰まったホンですよ。アクションあり、ロマンスあり、笑いあり。すごくよくできたシナリオです。梅安含め、敵役、脇役もみなキャラクターが立っていて、面白いです。僕が今言えることはここまでですけど(笑)。

 原作の梅安は坊主頭の6尺近い大男。昨年公開された映画『ミッドウェイ』(邦題)という作品で山本五十六役を演じたときに坊主にしたので、坊主頭には抵抗はありません。梅安についても、どれだけ身体を作るのか。痩せてるのか太っているのか、がっしりしているのか細いのか、そういうところも含めて、これからじっくり考えたいです。

 監督の河毛俊作は、池波原作の『雨の首ふり坂』(2018年・中村梅雀主演・大森寿美男脚本)などを手がけ、豊川とはドラマ『さよならをもう一度』『この愛に生きて』でタッグを組んでいる。緻密さと大胆さ、音楽や画作りまで、アート感覚が優れた演出家として知られる。

 僕は河毛さんの作る世界や演出がほんとに好きで、(新『梅安』製作発表会見の)ステージでもピアソラの音楽が使われていて、「そうか、新しい梅安は音楽でたとえるならピアソラなのか」「デカダンスなイメージか」と感じたところです。

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殺しの四人 仕掛人・藤枝梅安』(著:池波正太郎 講談社)

 内面的には、最初に宮川朋之プロデューサー、ディレクターとミーティングをしたときに大ヒットした『ジョーカー』の話も出て、どこか梅安像をダブらせたりしてるんだと少し感じました。クランクインまで時間がありますし、監督とディスカッションができるのはすごくいいなと思います。

 刀や銃と違って、梅安はものすごい接近戦で、影のように近づいて行ってふっとやるのがドキドキする。観終わったあと、ときどき振り向いたりして、「誰か後ろから来てるんじゃないか」みたいな怖さがありますよね(笑)。殺しの場面についても河毛さんがきっと色々考えていると思うので、楽しみにしています。僕は、まずは鍼灸を学ぶことになると思います。治療のシーンも結構あるでしょうから正しく鍼を扱えるようにならないと。