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ペンを持つ手と逆の手で問題を囲む…「自宅学習」で成績をアップさせる技術

『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書』(葉一 著)――ベストセラー解剖

2021/05/26
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『塾へ行かなくても成績が超アップ! 自宅学習の強化書』(葉一 著)フォレスト出版

 著者は元学習塾講師。その知見を活かし、YouTubeに無料で小中高生向けの授業動画を公開して好評を博している。本書はその自宅学習のためのハウツーをまとめたヒット本。学習計画の立て方から、ノート術やモチベーション管理、動画の活用法まで、総合的に自宅学習を「強化」する内容が満載だ。

「昨年、新型コロナウイルス対策で全国一斉休校が発表されたときに立てた企画です。著者はもともと、経済格差が教育格差に繋がる現状への問題意識から、授業動画を展開してきました。その延長で、学校にも塾にも通えない状況に置かれた子供たちに、何かできないかと考えたんです。親御さんにしても、突然自宅学習が必要な状況に置かれて困っているでしょうから、その助けにもなればと」(担当編集者の石黒洋記さん)

 間違った問題だけをまとめた復習用のノートを作る、ペンを持つ手と逆の手で問題を囲むなど、技術は具体的。反抗期への接し方など保護者へのアドバイスにも一章を割いており、類書と比べても、目線は異なる。

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「学習本には『天才を育てる』のようなアッパー層に向けたものが多い印象ですが、対して著者の活動は、偏差値50以下からのボトムアップを意識したものです。だから本書も、つまずいた内容に応じてすぐヒントを得られる構成を心がけました」(石黒さん)

2021年1月発売。初版6000部。現在11刷13万部(電子含む)

ペンを持つ手と逆の手で問題を囲む…「自宅学習」で成績をアップさせる技術

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