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K-POPの海外売り上げ断トツ1位は……

 K-POPシーンで日本人メンバーを入れることが「成功の法則」とまで言われている理由は、もちろん日本市場攻略のためだ。韓国政府が発刊する「2020韓流白書」によると、K-POPの海外売上のうち、日本マーケットが占める割合は65.1%で、断トツ1位だ。

 ちなみに、日本とともに2大マーケットと言われる中国をはじめとする中華圏マーケットの割合は、実は19.8%と日本に比べはるかに低い。つまり、日本市場は海外進出を模索するK-POP界にとっては最も重要な市場であり、最初の攻略対象なのだ。

 過酷な練習を黙々とこなし、私生活でも問題を起こさないという日本人特有の誠実さもK-POP関係者が日本人メンバーを好む理由として挙げられる。

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 さらに、スーパージュニアのハンギョン、EXOのレイのように、アイドルとしてのキャリアを積み、中国に戻ってしまうケースが多発する中国人メンバーへの警戒や、2016年のTHAAD(終末高高度防衛ミサイル)の韓国配置後、中国市場が閉ざされていることも、日本人メンバーへの依存度を高める背景となっている。

IZ*ONEの3rdシングル『Vampaire』宮脇ver.

宮脇の加入は「新人グループの成功確率を高める」

 宮脇咲良の今後について、J-POPに詳しい韓国人音楽評論家のファン・ソノプ氏が解説する。

「K-POP新人グループが日本市場を攻略する際、日本人メンバーを起用するプロモーションが効果的であることは、TWICEの成功で立派に証明されている。その上、宮脇は韓国や日本、中国など海外でも多くのファンを持っているIZ*ONE出身で、宮脇個人も既に確固たるファンがいる経験値の高いアーティストだ。このような宮脇をメンバーとして迎え入れることは、ハイブの新人ガールズグループの成功確率をより高めるだろう」

 宮脇が2年6か月間活動したIZ*ONEは、ガールズグループとは思えない購買力の強いファンがいることで話題を集めた。

 これまで発売したアルバムのほとんどが、初動販売数(発売1週間の販売数)30万枚を超え、2020年にはアルバムの累積販売数が129万枚を記録し、女性アーティスト1位になった。「10万枚を超えれば大成功」といわれていたK-POPガールズグループの限界を超えるグループという評価を受けてきた。

 ハイブのユン・ソクジュン・グローバルCEOも、2019年のインタビューで、IZ*ONEの強いファンに注目したことがある。

「現在、ビッグヒットには女性ミュージシャンがいないが、意図的なものではない。最近、新人ガールズグループ『IZ*ONE』が歴代ガールズグループのアルバム初動販売数の記録を達成し、ボーイズグループに劣らずファンの力を証明したことを見ると、ガールズグループも十分可能性があると思った」(「毎日経済新聞」2019年4月19日)

 IZ*ONEのセンターとして最も多くのファンを確保していた宮脇のハイブ合流説は、時間が経つにつれ、現実味がますます高まっている。