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HKT卒業で“再び過熱” IZ*ONE宮脇咲良の「BTS事務所」移籍説が韓国で消えない理由〈現地記者が解説〉

2021/05/22
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CEOの“トラウマ”となったガールズグループの大事件

「世界のBTS」を育成し、K-POPを世界に知らしめたハイブのパン・シヒョクCEOだが、とりわけガールズグループに対しては、これまで否定的な立場を示してきた。パンCEOがガールズグループを忌避するのは、かつてビッグヒットに所属だったガールズグループ「GLAM」のメンバー・ダヒの詐欺事件がきっかけだったとされる。

 パン・シヒョクCEOが2012年にデビューさせたGLAMは、デビュー前のBTSメンバーがバックダンサーとして参加し、BTSのリーダー・RMがデビュー曲の制作に参加するなど、BTSのファンにもよく知られているビッグヒット唯一のガールズグループだった。

 GLAMは、会社からの全面的な支持を受けてもなかなか人気が出ない中、2014年に韓国芸能界を揺さぶる大事件を起こした。

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 メンバーのダヒが、韓流スターのイ・ビョンホンと酒席を共にした時、その場を盗撮して、映像を消す見返りとして50億ウォンを払うように脅迫したのだ。

 イ氏側はダヒを詐欺・脅迫で告訴し、イメージが致命的に傷付いたGLAMは解散してしまった。それ以降、ビッグヒットは女子練習生を選ばなくなるなど、パンCEOのトラウマとなった大事件だった。

BTS ©getty

“BTSの妹”となるガールズグループに?

 そのビッグヒットも近年変化の兆しを見せていた。2019年、ガールズグループのGFRIENDの所属会社「Source Music」を買収し、K-POPを代表するクリエイティブディレクターのミン・ヒジンCBO(ブランド統括)をスカウトして、“BTSの妹”となるガールズグループの制作に乗り出した。

 2020年8月にオンラインで行われたビッグヒットの企業説明会で、パン・シヒョクCEOは、2021年にガールズグループのデビューを予告し、「多国籍言語に長けたグローバルガールズグループになる」「ビッグヒットのプロデューサー軍団とSource Musicのカラーがシナジーを生み、ブロックバスターガールズグループが誕生する」と、期待感を高めた。

 前出の韓国人芸能専門記者が解説する。

「少女時代、Red Velvet、SHINeeなどのビジュアルイメージやコンセプトを設計したミン・ヒジンが2019年に合流し、ビッグヒットのガールズグループプロジェクトが本格的に稼動し始めました。パンCEOから全権を任されたミンは、2020年から韓国を始め、全世界を回りながらオーディションを行ってメンバーを選抜した。ここに、Source Music内の練習生も合流して、2021年中に新人グループをデビューさせる予定としています」