LAに1年住んでみたときに出会った素敵な人たちにも影響を受けた。彼らはとても自立しているように感じた。責任を持って人間としての自由を求め、人生を豊かに生きようとする姿勢や、小さなことを大切にして日々を楽しむことは素敵なことだと彼らから学び、それまでの自分たちの『当たり前』がだんだんと変わっていった。
息子の妊娠中も少なからず争いはあったけど(笑)、娘のときのそれとは比べものにならないほどの変化をすでに遂げていた彼はさらに娘の成長の早さを知って、今度こそ自分もじっくり子育てをしようと育休を取ると宣言した。わたしには帰れる実家もないし、相談できる親もいないから彼がそう思ってくれることが本当に心強かったし、もう娘のときのような思いをしなくていいんだと、嬉しかった。
世界の父親の育児休暇について調べてみると、北欧の国々の取得率は70~80%なのに比べ、日本の育休制度は世界一なのにもかかわらず取得率はわずか7.48%(2019年)。妊娠中や娘が小さかったころ家で泣き続けていたわたしはお節介にも、昔の彼のような考えや周りの目を気にして自分だけ休めない雰囲気が日本から早くなくなればいいなと願わずにはいられない。
せっかくの機会なので、彼と改めて当時を振り返りそのことについて話してみた。
ここからは、わたしがiPhoneで録音した彼へのインタビューです。
夫婦で振り返る育児について
わたし 懺悔の時間ですよ。本に書きたいから取り繕ったりせず、ありのままを語ってね(ハート) 改めて聞くけど一人目の妊娠中のとき、どう思ってたの?
彼 もちろん手伝ってほしいと言われたことは全てやろうと思っていたし、それが終わったら俺のやることしていいよねと、役割分担のつもりだったんだよね。男はさ、ホルモンのバランスが崩れるとかもないからずっと同じで、女の、出かけられるだけでムカつくから、なにもしなくていいからただそこにいて、みたいなのはないからさ。
わたし でも一人で不安だし孤独なのに自分だけ飲みに行くとか、わたしの気持ちをなにも考えてなくない?
彼 遊びでどんちゃんやってたわけじゃないから、俺は俺で今できることを頑張るから! とほんとにそう思っていたんだよ。
わたし じゃあ遊びで飲みに行く男もいるわけじゃん。そういう人はなんなの?
彼 そういう人は結婚してもなんでも俺は現役でなにも変わらないぜと生きることがイケてるって思ってるんじゃないの。