未成年のスマートフォン所有率は93.7%にのぼるという(※2020年・デジタルアーツ株式会社の調査)。筆者は普段は音楽や映画、YouTubeなどのエンタメ領域での執筆が多いため、様々なファンのSNSを回遊することが多い。そこで当然、多数の未成年のアカウントを目にすることがある。

 ゴシップ炎上やファン同士の揉め事ならまだしも、チケット転売詐欺や「SNSでお小遣い稼ぎ」的な副業詐欺などの犯罪行為の被害者や、あるいは逆に加担している者も存在しており、常々由々しき事態だと感じている。

 さらに、お小遣い稼ぎの延長感覚で自身の写真や動画を販売しようとするアカウントもあり、これも児童ポルノ禁止法に抵触する。未成年女子のアカウントの数は膨大だが、それゆえにそれを取り締まる空気もあるように思う。その一方で男子の投稿も少なくはないが、野放しになっているように感じた。そのため、今回取材を試みることにした。

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画像はイメージ ©️iStock.com

事件に巻き込まれた子どもは年間1800人以上

 警察庁の「令和2年における少年非行、児童虐待及び子供の性被害の状況」調査によると、2020年(令和2年)にSNSの利用をきっかけにして、事件に巻き込まれた18歳未満の子どもは1819人にのぼる。

 被害児童の9割近くが中高生であり、区分別では「青少年保護育成条例」738人、「児童ポルノ」597人、「児童買春」311人の順に多い。またこの調査では、男女比は公開されていない。

 なお、利用したSNSは「Twitter」が全体の35.3%を占めているという。19年3月にTwitter Japanも、「児童の性的搾取に関するポリシー」を公開しているものの、2年経過した現在でも、少し検索をしただけで、児童の売買春にまつわるツイートや児童ポルノ画像がヒットするのが現状だ。

 そして、女児のそれはもちろんのこと、男児の半裸画像や売買春を募集するツイートも散見される。前者もまだまだ規制の手が及んでいないが、後者も野放しになっている印象もある。