“男だから断れたでしょ”と取り合ってくれないケースも
こうした法律自体に男女差はないものの、それを判断する側にジェンダーバイアスがあるのも問題だという。
「法律に男女差はありません。しかし、実際に立件するかどうか決める警察側が、“男だから断れるでしょ”と言うケースはあります。例えば、写真を撮られたという被害者側に、“君のほうが加害者よりガタイいいでしょ”などと言って、事件化しないことはよく起こります」(らめーん氏)
もちぎ氏も、自身の体験から同様のジェンダーバイアスの存在を感じると話す。
「年の離れた異性と繁華街を歩いていたら、“援助交際かな?”と疑われるじゃないですか。でも、同性同士だと、職質を受けても、お金を渡したり、ホテルに入る現場などを押さえられない限りは、どうにでもごまかしがききます。
僕自身、お客さんの車に入るときに警察に声をかけられたことがあって、そこで“ああ、バイト先の先輩です”と答えたら見逃されました。そういう先入観って社会にうっすらとありますよね。
ネット上でも、同じようなバイアスがあるのではないでしょうか。男性同士だと未成年が相手でも監視の目が“ゆるい”というか、摘発があまり入ってこない印象があります」
男子児童の性的搾取を減らすには
警視庁少年育成課のツイッターアカウントの返信欄をひらくと、未成年が売買春を匂わせるツイートに対して注意喚起が行われている(すべて同じ文面のコピー&ペーストなので、どの程度の効力があるかは不明だが)。
大半が女子児童のもので、筆者が直近のログを確認したところ、男子のツイートへの返信はひとつで、その内容も女装した「男の娘」を名乗るアカウントだ。一見して男子と判別できるものへの注意は見当たらなかった。
ネット上でも実社会でも見過ごされている男子児童の性的搾取。どうすれば被害を減らすことができるだろうか。
「ツイッターしかり、ゲイアプリしかり、掲示板しかり、どこも管理する会社が“見てるぞ、未成年を守るぞ”ということを強調するようにしてくれたら、買う側も売る側も自重し、思いとどまるかもしれませんね」(もちぎ氏)