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顔を出さなくていい掲示板やツイッターのほうが、“売れる”

 ゲイであることを公表しているエッセイストのもちぎ氏は、男児の売買春はSNS以前から存在したと語る。

「現在のようにSNSやマッチングアプリが流行する以前から、ゲイの世界にも出会い専用のネット掲示板や出会い系サイトが存在しています。その中には“サポ”を募集する掲示板やサイトもあって、自分自身も16歳の頃から“サポ”をやっていました。その経験もあってか、自分のところにも“サポ”についての相談が来ることもあります。

 今の子たちがマッチングアプリではなくツイッターで相手を募集するのは、おそらく匿名性が重要というか、顔を出す必要性の高いアプリよりは、顔を出さなくていい掲示板やツイッターのほうが、“売れる”と判断しているのだと思います。

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 ツイッターの掲示板との違いは、過去のツイートからひととなりがある程度わかるため、売るための判断材料にもなる。そういった意味では、今は一番ツイッターが利用されていて、かつ野放しかもしれませんね」

 しかし、SNSでの売買春には当然ながらリスクがある。

「画像を売っても支払いがなかったり、あるいは売買春をして性病を移されたなどのトラブルが起きても、相手がアカウントを消してしまい、周囲にも相談できず泣き寝入りする、というケースも多いと思います」(同前)

画像はイメージ ©️iStock.com

積極的に介入しない、プラットフォームの責任は?

 前出の通り、アカウントを凍結する等の対応が見られる場合もあるものの、この状況に積極的に介入しない状況にあるプラットフォーム側に責任はないのか、児童の性被害問題に詳しい弁護士、らめーん氏に話を訊いた。

「青少年インターネット環境整備法という法律では、通信事業者に対して18歳未満と契約時にはフィルタリングソフトを勧めることや、国及び地方公共団体に対して青少年のインターネットの適切な利用に関する事項について啓発することなどを努力義務として課しています。ただ、あくまで“努力義務”なため、そこに違反したら罰則があるというものでもない。

 児童売買春の防止について、SNSなどのプラットフォームへの法的な責任を課す法律は現在ありません。AIで自動的にうすだいだい色の面積が多い画像を弾くなどの対処をしているSNSもありますが、“児童ポルノが溢れているサイト”というイメージがつくとブランディングとして問題があるため、あくまでプラットフォームが自主的に取り組んでいるというのが現状です」

 プラットフォームに法的な責任はないものの、プラットフォームを利用して児童ポルノ画像のやりとりをした人は、児童ポルノ禁止法に抵触する。前出の通り、実際に性交したり売買春するケースは、児童福祉法や児童買春禁止法、青少年保護育成条例などに違反する。