文春オンライン

「家族に嘘をついているのが心苦しかった」5万円のギャラでAV出演、48歳で風俗嬢デビューした女性の“告白”

『女子大生風俗嬢 性とコロナ貧困の告白』より #2

2021/06/04

保険のセールスレディを掛け持ち

 ずっと嘘をつきながらAV女優をしたが、裸になったり、セックスするよりも、家族に嘘をついているのが心苦しかった。娘の中学時代のママ友に誘われ、2年前から保険のセールスレディを始めている。セールスレディは固定給+出来高制で、勤務時間の拘束がない。風俗をしながら働けるのがよかった。

「実は風俗のお客さんに保険を勧めています。大手の保険会社なのでお客さんも話を聞いてくれるし、けっこう入ってくれる。肉体関係があると他人じゃないみたいに感じるみたいで、風俗で働いていることが保険でもプラスになっていますよ。始めたばかりの頃、新規の人数は支店のセールスレディのなかではけっこう上位で、上司に褒められました」

 夫は宅急便の配送員の仕事を見つけた。家に月15万円を入れてくれようになった。美恵さんは本デリでコンスタントに指名客を増やし、指名客に生命保険を勧めている。風俗で月25万円、セールスレディで月20万円程度を稼げるようになった。

ADVERTISEMENT

「夫のリストラと大学学費がなかったら風俗はしなかった。けど、やってみると面白いですよ。性欲発散にもなるし。好きめのお客さんがぎゅーって抱きしめてくれるのが、いい。お客さんも奥さん相手に抱きしめるとか、もう恥ずかしくてできないから、喜んでくれるし」

 世帯収入はリストラ前より増えた。少し無駄遣いができるくらいの生活ができている。娘の大学も、なんとか卒業をさせられそうだ。

【前編を読む】「風俗とか水商売にはすごく偏見があった」それでも女子大生の私がソープで働く道を選んだワケ

「家族に嘘をついているのが心苦しかった」5万円のギャラでAV出演、48歳で風俗嬢デビューした女性の“告白”

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー