1ページ目から読む
2/3ページ目

一部の「反日」層からは “右翼グループ” 呼ばわりも

 2018年に韓国でリリースしたデビューアルバム「COLOR*IZ」は、新人女性アイドルグループとして初動売上1位を記録。IZ*ONEは同年の新人賞を総なめにし、日韓で大きな期待を集めた。

 しかしそんな彼女たちの足を引っ張る雑音も、当初からつきまとっている。「COLOR*IZ」発売の前日にあたる2018年10月28日には、韓国大統領官邸ウェブサイトの「国民請願掲示板」に「日本の右翼グループIZ*ONEの公演・放送出演を禁止してください」という請願が寄せられた。この請願は、1カ月間で4万5072筆の署名を集めている。また、鹿児島県出身の宮脇が2012年に征韓論で知られる西郷隆盛を郷里の偉人と紹介したこと、2016年に8月15日を「終戦記念日」と呼んだことなども掘り起こされ、一部の反日志向の強い韓国人を刺激したようだ。

IZ*ONE ©getty

 IZ*ONEが直面した日韓摩擦の洗礼は、これだけにとどまらない。「COLOR*IZ」の収録曲で秋元康氏が作詞した日本語曲の「好きになっちゃうだろう?」は、発売からすぐに韓国公営放送KBSと地上波キー局SBSで放送不可判定を下された。植民地時代の歴史を背景に、日本の大衆文化流入を制限してきた韓国の伝統的な政策に基づく判断だ。

ADVERTISEMENT

 さらに韓国では2019年7月から、日本の対韓輸出規制にともなう反日不買運動が始まる。同じく日本人メンバー3人を擁する女性アイドルグループTWICEとともに、IZ*ONEもメディアの対日批判のどばっちりを受けた。

オーディション不正という「大きな逆風」

 だがこうした一部の反日感情よりも遥かに大きな逆風となったのが、オーディション番組の投票不正問題だ。

 IZ*ONEを生んだ「PRODUCE 48」は、Mnetの「PRODUCE 101」シリーズの第3シーズン。同シリーズはアイドル練習生などが視聴者の一般投票で絞り込まれ、最終選抜に残った十数名がグループとしてデビューする仕組みだ。2016年放送の第1シーズンでは女性グループ「I.O.I」、2017年放送の第2シーズンでは男性グループ「Wanna One」が、それぞれ期間限定グループとしてデビューした。

IZ*ONE ©getty

 だがIZ*ONEがデビューした翌年の2019年7月、第4シーズンを巡って投票不正問題が浮上。視聴者が得票数の不自然な規則性に気づいたのが発端だ。「PRODUCE 101」の投票は運営者に収益が入る有料形式で行われていたこともあり、不正を問題視した視聴者はネットで「真相究明委員会」を結成。番組制作者を詐欺などの疑いで告訴した。

 警察は2019年11月6日、番組のプロデューサーら2人を詐欺及び偽計業務妨害の疑いで逮捕。また番組及び芸能プロダクション関係者ら8人が、同月に送検された。