昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

genre : ニュース, 社会

 瑠美さんが山本、岸両被告の自宅に住み始め、ほどなくして暴力がエスカレートする。

山中での約40分間「顔を拳で殴ったり、根性焼きをした」

 判決文によると、2019年9月25日、山本被告は瑠美さんとホストクラブに行った後、岸被告の運転する車で福岡県筑紫野市の山中へ向かった。そこで瑠美さんの態度が気に入らないなどという理由で、約40分にわたり、暴行をしたとされる。

 この時について、山本被告は法廷で「瑠美さんの髪を引っ張って、2、3回頬を平手で叩いた。岸被告は木の棒をライターで炙り、足の裏に押し付けていた」と自らは軽微で、岸被告が残酷な暴行をしていたと主張。一方の岸被告は「山本被告は腹部を蹴ったり、顔を拳で殴ったり、根性焼きをした。木の棒で4、5回叩いていた」と主張している。

 いずれも責任を押し付け合って証言は相容れないが、瑠美さんへの暴行の凄まじさが浮かび上がる主張だった。

遺体が発見された駐車場 ©文藝春秋

「ホストクラブでの瑠美さんの言動に腹を立てた末の暴行だったという主張ですが、これだけの暴行を加える理由にはならないほど些細なことです。暴行は瑠美さんに対して、自分たちが支配しているんだという誇示の意味合いもあったのでしょう」(同前)

バタフライナイフを太ももに「落とした」?

 山本被告らの自宅からは、瑠美さんのDNA型と一致する血痕が付着したバタフライナイフが見つかっている。これについて山本被告は「山中での暴行の2、3日後に自宅で、瑠美が指名していないホストに抱きつくなどしたことを注意した際、太ももの膝に近い部分に5センチの高さから2、3回バタフライナイフを落とした」と証言している。

「しかし法廷では、後に山本被告が『(バタフライナイフで)刺した』と話している録音が公開されている。5センチの高さから落とすことを『刺した』と言うでしょうか。暴行の多くは目撃者がいない上、客観的な証拠が少ない。それを良いことに、両被告は自分に有利になる発言を繰り返しているんです。判決では2人の供述が一致する範囲での暴行のみを認定していますが、実際の暴行はそれ以上のものだったと見られています」(同前)