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「100万円集めんといかんのやけん」美容師の前でも恐喝

 暴行の激化に伴って、恐喝の手口も度を超えたものになっていく。

 10月13日、山本被告と瑠美さんは美容院にいた。その場にいた美容師の証言によると、山本被告は「さっさと始めろよ」と瑠美さんに指示し、瑠美さんは「必死に6、7人の親戚に電話をして金を貸してくれるように頼んでいた」。瑠美さんが電話の合間に休憩する際にも、山本被告は「休んでいる暇はないよ。100万円集めんといかんのやけん」などと追い込んでいたという。

岸被告(左)と山本被告(右)。頻繁に中洲の歓楽街に通っていた

「13、14日に山本被告が奪ったのは105万円。美容師が証言もあり、法廷で被害額として認定されました。未遂も含めて、瑠美さんや瑠美さんの夫ら計5人から総額500万円弱を脅し取っていたと認定されていますが、こうした目撃者がいたり、借用書などで金額が特定できたものだけです。山本被告の恐喝行為の全体像はよくわかりませんが、被害総額はとんでもない額になるでしょう」(同前)

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山本被告が息子Bさんの面前で瑠美さんを刺した

 この後、14日から15日にかけても、山本、岸両被告は瑠美さんに暴行を加えている。14日夜、山本被告と岸被告は瑠美さんとともにホストクラブを訪れた。この日は山本被告の息子Bさんも同席している。

 山本被告らはいつものような“無茶ぶり”で瑠美さんに度数の高いアルコールを無理やり飲ませた。喉が焼けるように熱かったのだろうか、瑠美さんが手づかみで氷を食べると、山本被告が急に立腹したのだという。

山本被告(左)と瑠美さん(右)

「山本被告は、同席したホストクラブの従業員に『瑠美が手を握りたいんじゃない? 手首をちょっと握っとってくれん? 手首を握ってテーブルの上に置いて』と指示し、瑠美さんの手を固定した状態で甲に割りばしを突き刺した。ホストは驚いて手を引いたようですが、山本被告は『ちゃんと握っとって』と命令し、割りばしをライターで炙って再度、手の甲に突き刺し、その後ライターの点火口も押しつけています」(同前)