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複数人で家に押し入り、銃とナイフで女性を拉致…米兵による性暴力の嵐が吹き荒れていた沖縄の“生々しすぎる現実”

『沖縄アンダーグラウンド 売春街を生きた者たち』より #2

2021/06/15
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真栄原新町の女性は借金でがんじがらめ

──沖縄で売春に従事する女性についてもうかがいたいんですが、真栄原新町など、近年は米兵相手ではなく、沖縄の男性や観光客相手に商売を成り立たせるようになっていたと聞きます。

「真栄原新町で働いている女性が言うには、お相撲さんも来た、芸能人の誰も来た、彼も来たって。みんな同じホテルの傘を持って来たということもあるそうです。真栄原新町は一時サラ金がものすごく問題になりました。サラ金規制法が改正されて悪質な取り立てが規制されるようになりましたが、それでもあの界隈にはまさに悪質な金融業者が入っていたんです。経営者が直接おカネを貸すと『管理売春』になってしまうから、売春防止法を巧妙にかわすために、経営者は直接貸金はしない。女の子はおカネに困って真栄原新町に行くわけだから、その時に経営者は女の子に金融業者を紹介する。するとその女の子は100日がけの借金をして、業者は毎日、回収に回るんです。私は女性の相談を受けているからわかりますが、100日がけというのは、たとえば1日3000円を100日で返すように組まれたカードがあって、支払済の小さな印鑑を押していくんです。

女性たちをがんじがらめにしていた「日掛け帳」。客を取って、その売り上げを貸主に返すとスタンプが押されていく

 それが、今日は3000円を返せた、ところが翌日は雨が降ってお客も少なくて3000円を返せなかった、そうすると翌日は6000円になる。その次も具合が悪くて休んだら9000円になるんです。だんだん貯まっていくと、また貸してあげるよと金融業者が声をかけて、さらに借金が増えるという構造です。真栄原新町の女性は借金でがんじがらめです。しかも貸すのは金融業者なのでお店の人は保証人になるんです」

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毛玉だらけの、いかにも安物の毛布が彼女たちの「商売道具」になり、ときには住み込みの際の寝具となった

──事実上の悪質な管理売春がまかり通っていたということですね。

「そうです。ある時、真栄原新町で倒れた女性がいて、その人を病院に見舞いに行ったら、病室にいない。どうしたかと思ってさがしたらトイレにいたんですが、借金があるから病院を出て新町に帰らなきゃいけないと言う。街は一見、すごく華やかに見えますが、実態は凄まじい。真栄原新町へ小学校6年の子が連れて行かれた事件が起きたとき、私たちが救出に関わった経験があります。その店に警察の捜索が入るまで、店から経営者が逃げてしまわないように私たちが監視したんです」