Q 新しい駐日大使、どんな人?

 アメリカのバイデン大統領が駐日大使に、オバマ政権で大統領首席補佐官を務めたラーム・エマニュエル氏を指名する意向を固めたと報じられました。おととしまで出身地シカゴの市長を務めたと聞くのですが、この人は一体どんな人なのでしょうか。(50代・男性・会社員)

大統領時代のオバマ氏。回顧録を紐解くと… ©️文藝春秋

A オバマ元大統領の回顧録を見てみましょう。

 エマニュエル氏の夫人は「エマニュエル夫人」と呼ばれるのだろうか、などと下品なジョークを言う人がいますが(このジョークがわかるのは、一定年齢以上の人ですね)、オバマ元大統領からは絶大な信頼を得ていたやり手です。オバマ元大統領の回顧録には、次のように書いてあります。

「2008年当時はシカゴのノースサイド選出の下院議員を務めており、民主党が多数派を奪還した2006年の下院議員選挙では、党の議会選挙対策委員長として旋風の仕掛け人になっていた。身長は低めで、体格は細身、日焼けした肌にハンサムな顔立ちをしている。性格は非常に野心的で、目標に向かって熱狂的かつ徹底的に仕事に打ち込む。議会でも屈指の知性をもち、それを隠そうともしなかった。ラームは愉快で、繊細で、慎重で、誠実なうえに、言葉遣いの汚さでも有名だった」(『約束の地 上』)

エマニュエル氏のシカゴ市長選挙出馬時にはオバマ氏が応援に ©️AFLO

 この描写を見れば、やり手だけれど、敵も多いのだろうなと推測できます。アメリカの駐日大使は、大統領選挙の論功行賞で選ばれる人もいますが、日米関係が大事だと考える大統領は優秀な人材を送り込みます。今回の人事は、まさに後者です。バイデン政権が対日関係を重視していることがうかがえます。

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