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 ワクチン接種の仕事を困難にしているのは、部署に専門家が不在であることと、大都市ならではの、委託業者が多く入り込んだ複雑なシステムだ。全体像の見えなさや、意思決定の複雑さについて、もう少し、仕事をする上で、きちんとした説明がほしいと思いませんかと、たずねたところ、こう答えた。

「やることは変わらないまま、会議が増えたりするのはつらいので、詳しく知りたいとは思っていません。とにかくもっと人を増やしてほしいです。本当に人が足りません」

 Bさんの訴えは深刻だ。

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「それほど遠くない時期に、必ず打てます」自治体職員が伝えたいこと

 ワクチン接種の仕組み作りに奔走している前述の地方自治体職員Aさんは、こう話す。

「クレームを入れられる方は、不安があると思います。でも、それほど遠くない時期に、必ず打てます。災害のときもそうですが、『奪い合えば足りないけれど、分け合えば余る』という言葉があります。

 わたしたちは、これまで、コロナ禍を終わらせたい、以前のような外に出ていける世界を取り戻したい、市民の安心・安全のためにみなさんにワクチンを届けたい、そう思って奮闘してきました。不安を感じている市民の方もいらっしゃると思いますが、わたしたちを信頼して、もう少し待っていていただきたい」

 自治体職員たちは、手探りの中、新型コロナウイルスワクチン接種のために、今この瞬間も奔走している。わたしたちは、それほど遠くない将来に、時期が来れば、順番が回って来れば、必ず打てるのだから、パニックになることなく、冷静に待っているのがよいのだろう。