3年保証が半年で効果が実感できなくなり…
「専用のメンテナンス剤以外を使ったら保証がなくなるとか、定期的にメンテナンスをしていなかったら無効、みたいなのもありますね。『数ヶ月に一度、これを塗布してください』とメンテナンス剤を渡される。実際ウチにも、他店で保証してもらえず相談に来たお客さんがいました。3年保証だったみたいですけど、半年過ぎて効果が実感できなくなって、その店に言ったらメンテナンス剤を見せるように言われ、減ってないから保証できないって。車を見たんですけど、そもそもコーティング自体まともに施工したのか、怪しい感じでしたね」
保証書に免責事項としてメンテナンスの不備が記載されていれば、やはり店側の責任を問うことは難しい。そうは言っても、3年保証が半年で無効になるというのは、なんともやりきれないではないか。
コーティングの仕上がりは施工者によって異なる
このように、コーティングの効果が期待するほど続かない場合であっても、基本的には客側の落ち度として処理されてしまう傾向にあるようだ。しかし実際、店側の過失、たとえば施工不良といったケースは考えられないだろうか。
スタッフたちの話に共通するポイントとして、もうひとつ「コーティングの仕上がりは施工者によって大きく左右される」ということがあった。
「似た成分の薬剤を使うわけなので、パッと見るだけじゃわからないですけど、細かいところとか、定着の仕方なんかも変わってきます」
施工者の技術によって、コーティング層が定着する具合が変わるらしい。どういうことか。
「一番差が出るのは磨きの作業ですね。施工面がフラットな状態になっていないと、コーティングの層がしっかり定着しません。表面が均一になっているかどうかなんて、肉眼ではわかりませんから、これはもう経験しかないです。肌感覚で、あぁこれならノってくれるな、と」
例えるなら、化粧のようなものだろうか。熟練のメイクであれば、その人の肌の状態に対して、ファンデーションがどの程度ノってくれるかということを見極められるだろう。しかし、素人がそんな差を認識できるはずもなく、「結局、どこに任せればいいのか」は判然としないままである。