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東大在学中に司法試験合格、ハーバード大留学…山口真由が語る「“優等生病”の始まり」と「“結果がすべて”の嘘」

山口真由さんインタビュー #1

2021/06/13

source : 文藝春秋 digital

genre : ライフ, ライフスタイル, 教育, 働き方, 社会

 日本の大学の最高峰「東京大学」に初めて女性が入学したのは1946年のこと。それから75年――。時代と共に歩んできた「東大卒の女性たち」の生き様とは。

 東京大学在学中に司法試験と国家公務員Ⅰ種試験に合格。財務官僚を経て、弁護士となり、著名な法律事務所に勤務後、ハーバード大学ロースクールに留学、東大大学院博士課程修了。現在はコメンテーターとしても活躍する山口真由さん(2006年、法学部卒業)は、ずっと「自己肯定感の低さ」を抱えてきたという。その理由を聞いた。(全2回の1回目/#2に続く)

山口真由さん

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自分は自己肯定感が低いと思っていた

――山口さんは在学時、法学部の成績優秀者として総長賞を受賞されているんですよね。オール優で「東大法学部を首席で卒業」とメディアで紹介されることもあって、さぞかし自信に満ちた人なのではないかと思われそうなところですが、ご著書では「自信が持てない」ということをたびたび書いていますよね。どういうことなのでしょう。

山口 ずっと自分は自己肯定感が低いと思っていたんです。水が入っているコップを見たら「ここまで水がある」と思うのでなく、「ここがない」と捉えるような自分の性格が嫌だったんです。大学の成績も、優を取りたいというより「良があったらどうしよう」という不安が強くて、優以外が一つでもあればずっと引きずるだろうと感じていました。でも、そういう自分の性格があってこそ、総長賞という結果につながったのかなと。そんな自分をまるごと認めようと、最近ようやく折り合いをつけてきたところです。

山口さんの著書『「ふつうの家族」にさようなら』(KADOKAWA)

――最近というといつ頃ですか。

山口 テレビによく出るようになったこの4年くらいですね。コメンテーターとしてメディアに出るという苦手な仕事を、それを得意とする人たちの中で挑戦するうちに、諦めがつきました。こういう自分でもしょうがないな、まあいいや、と。