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「澤村拓一はマリーンズが育てた!」 ロッテとトレードの幸せな関係

文春野球コラム ペナントレース2021

2021/06/23

 先日、ロッテファンの気象予報士・佐々木聡美さんに取材する機会があった。交流戦途中のタイミングだったので「レアード調子いいですね」、「佐々木朗希くんの完成度、すごくないですか?」など仕事か趣味かよくわからない役得だったのだが、好きな選手の話になってこんなやり取りがあった。

「荻野(貴司)さんが一番好きですが……外野手の層が厚いのがロッテ、という感じですよね」

「確かに。マーティンはもちろん、角中(勝也)さんも調子上げてきてくれたし、藤原(恭大)くんもいるし。それに……加藤翔平くんとかがいるんですもんねえ」

 考えてみれば、ロッテといえばリリーフ陣に加えて、外野手は昔から多士済々だった。

 サブローや立川隆史、大塚明ら生え抜き勢もそうだし、個人的には波留敏夫や井上純の元ベイスターズ勢の応援(「はる、と、し、おおおおお」「いーのうえ、じゅん!」と文字化すると怪しさ満点)も大好きだったし、同じ移籍組で言えば早川大輔のガッツもしかり。

 This isロマン砲な大松尚逸に竹原直隆、残念そこは……の岡田幸文の“東京ドームでのファインプレー3連発”には心からシビれたし、沖縄からやってきた伊志嶺翔大も「俊足でバント上手くてたまに長打もある」というロッテ外野手の最大公約数なタイプで、本当に大好きだった。そしてモロさん(諸積兼司)のヘッスラも雨天ノーゲームで見られたとき、ホントに嬉しかったなあ。

連日のビックリなトレード2連発

 佐々木さんと話をしながら外野手の今昔を思い出していた数日後、連日のビックリなトレード2連発である。

 有吉優樹(ロッテ)⇔国吉佑樹(DeNA)
 加藤翔平(ロッテ)⇔加藤匠馬(中日)

 コロナの前は「飛びたーて翔Hey! 彼方ま~で~」とこちらも歌っていたけど、まさか名古屋に飛びたっちゃうだなんて……。それも移籍初日の18日のヤクルト戦でいきなりスタメンに名を連ねると、ドラゴンズでの初打席で初球打ちでいきなり初アーチである。

 そういやロッテでの一軍デビュー戦となった2013年5月12日の楽天戦でも初打席で初球打ちしてプロ第1号だったっけ、なんて懐かしい気分になりつつ、いとしさとせつなさとが入り混じる、複雑な心境である。俊足で塁間や外野を駆け回って、意外にも長打力を秘めているスイッチヒッターってだけで、ロマンにあふれてたもんな……。