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夕食の買い出しに付き合わせた効果

 しかし、落合の好き嫌いを治すのは簡単ではありませんでした。でも、ご飯粒ひとつ残さず食べるところ、財布に入れるお札はきれいに伸ばして方向も揃えるなど、几帳面さがあるとわかっていたので、そういう部分を利用して食に対する考え方も変えていこうとしました。

 まず、時間がある時は夕食の買い出しに付き合ってもらいました。私は財布を持たず、車の運転と支払いを落合に任せます。店に着いたら、自分が食べたい物を買い物カゴに入れてもらうのです。

落合博満氏 ©文藝春秋

 そうやって店の中を見て歩くうち、「おまえは何が食べたいんだ。好きな物を入れろよ」と言ってくれるようになり、レジで支払う際には、どれくらい買えばいくらかかるということがわかるようにもなりました。帰宅したら、えんどう豆の下ごしらえを手伝ってもらったりしました。

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 そうすると、自分が朝早くから起きてグラウンドに行き、一生懸命プレーしていただいた給料と生活がリンクし、私が作った料理を残すことがもったいないと感じるようになるのです。この買い物同伴作戦は効果てき面で、食べたくない物を箸でつまみ、私の茶碗や皿にポンポンと移してくることは一切しなくなりました。

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