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金町の閑静な住宅街の先に突如現れる“ポツンと一軒そば” 「近隣にコンビニ一軒だけ」の地で人気店になれた理由とは?

2021/06/22

カレーや焼うどん、チャーハンなど豊富なメニュー

 入口は店というよりは、普通の家のような雰囲気で、自転車が置いてある。入店すると女将さんの大内博子さんが迎えてくれた。お元気そうでなによりである。

 店内は立ち食いカウンターと4人掛けのテーブルがあり、入口の扉は開いていて、換気扇や扇風機はフル稼働している。

 掲げられたメニューをみると、カレーや焼うどん、チャーハンなどなかなか豊富である。

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 しかし、到着した昼過ぎにはすでに天ぷらは少なく、おにぎりも売り切れていた。さっそく、「春菊天なす天そば」(500円)を注文してみた。

きれいな花や植木が出迎えてくれる
店内は立ち食いカウンターとテーブルが1つ
天ぷらはほぼ売り切れていたがすべて自家製である
カレーや焼うどんなど豊富なメニュー

今年で創業16年、女将さんは山形県の赤倉温泉出身

「あかくら」は今年で創業16年になるそうだ。お店の名前「あかくら」は女将さんが山形県の赤倉温泉の出身だったため、そう命名したそうである。

 そもそも、なぜポツンと一軒となるこの地で、そば屋をはじめたのだろうか。注文しながら女将さんに聞いてみると面白い回答が返ってきた。

 以前はもっと金町に近いところに住んでいたそうである。手狭になったこともあり、この地に引っ越したそうだが、近隣にはコンビニも1店舗しかなく、それなら、そば屋でもやってみようということになったという。

 初めは、あまりお店があることも気が付かれず、お客さんもまばらだったそうだが、次第に認知されてきて、近所の常連さんたちが増えていったそうだ。

「早朝6時から店を開け、午前9時までが一番忙しい」と女将さんはいう。