JR常磐線「金町駅」は大きな河川に挟まれている。西には中川、東には江戸川が流れ込む。一帯は鎌倉時代にはすでに栄え、古利根川沿いの鎌倉街道に町屋が形成されていたという。歴史ある由緒正しい町だ。最近では京成金町側が再開発され、街並みは大きく変貌している。

 一方駅北側一帯は水元(みずもと)公園に続く広い昔ながらの住宅街が広がっている。そんな金町の水元公園を越えた先に、ポツンと一軒の立ち食いそば屋がある。「立喰そばうどん あかくら」である。金町駅からは約2キロ。歩くと約30分。晴れ間が続く6月中旬の週末、6年ぶりに訪問してみることにした。

久しぶりのJR常磐線「金町駅」

ゆっくりと街並みを楽しみながら「あかくら」へ

 金町駅改札を出て北側のロータリーに出る。ここはコロナ禍でも人出が多い。駅前の喧騒をすり抜け、東北東方向へ進んでいく。東金町4丁目から5丁目の方角である。住宅地や大きな団地、学校などがのどかに点在している。しばらくいくとY字路が現れ、その先に緑地帯がみえてきた。水元公園である。近づくにつれて、釣具屋が現れたりする。さすが水郷の地である。

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いつも混雑している金町駅北口をすり抜ける
穏やかな街並みが続く
団地の横に立葵のきれいな花が無雑作に咲いている
遠くにみどりの一帯がみえてきた

23区最大規模の都立・水元公園を通って

 水元公園は東京都葛飾区にある都内23区でも最大規模の都立公園である。文字通り水郷公園で、江戸時代に作られた小合溜(こあいだめ)という遊水池から成る。古利根川(中川)の一部であり、この地域の町村を潤す水源であったため「水元」と呼ばれるようになったとか。水元公園は埼玉県三郷市にある埼玉県営みさと公園と隣接している。

緑の公園には大きな小合溜(こあいだめ)という遊水池が広がる
あじさいも今が見ごろ
モネの水蓮のような雰囲気

 23区とは思えない広大な水郷地帯を通り抜けていく。モネの水蓮のような雰囲気も少しある。しばらく行くと隣接する埼玉県営みさと公園に抜ける小径があり、そこを進んでいく。そこを抜けると閑静な住宅街が現れた。左に行けばみさと公園である。

隣接する埼玉県営みさと公園に抜ける小径を進んでいく
公園を抜けると住宅街が現れる。左に行けばみさと公園

釣り具の「SHIMANO」の看板がみえたら到着

 こんな静かな住宅街に立ち食いそば屋なんてあるのだろうかと、疑ってしまうような雰囲気である。しかし、そのまま道沿いに進んでいくと、遠くに釣り具のSHIMANOの文字がみえてきた。そして、近づくとそこには「立喰そばうどん あかくら」の見覚えのある看板がひっそりと置いてあった。以前は北松戸駅から歩いたので1時間以上もかかってしまったが、今回は約30分である。それでも「ポツンと一軒感」は十分ある。

閑静な住宅街を進んでいく
遠くにSHIMANOの看板がみえてきた
近づくと見覚えのある看板が…