緊急事態宣言中のおうち時間は読書
──緊急事態宣言中はかなり活動も制限されていたと思いますが。
品川 もう全く動けなかったですよね。ドラマも後出しになったし、ずーっと家にいることになった。で、とりあえず本を読もうと思ったんです。テーブルに本を5冊並べて、最初の1冊を30分読んだら柔軟する。で、また次の本を30分読み終えたら柔軟して、またその次の本を30分って、1冊ずつ読むんじゃなくて30分区切りで順々に違う本を読むっていうのをやってました。ちゃんとストップウォッチ置いて「よーい、スタート」「はい、終わり」「柔軟!」って。それやりながら読み終えた本を積んで重ねていくと、少しずつ本が高く積み上がっていくでしょ。それがめちゃくちゃ気持ちよくて! 色々読みましたけど、ビル・ゲイツがオススメしてた、世界の今の状況が数字で全部把握できますよっていうのとか(『Numbers Don't Lie 世界のリアルは「数字」でつかめ!』/バーツラフ・シュミル)、自分に全然ない発想で、面白かったなぁ。あとiPadで絵を描くのにも挑戦して、4時間ぐらいずーっと描き続けたりもしてました。
──「忙しいのが好き」の在宅応用編ですね! とはいえ決して生き急いでいるようには見えないし、忙しさでイライラしているムードもない。どんな状況でも楽しさを見出せる人。
品川 仕事でイライラはしますよ(笑)。でも違う現場の連続、仕事の切り替えのおかげでイライラしちゃう時間がない、引きずってる余裕がないだけ(笑)。あっちのイライラやストレスがこっちのワクワクで解消できる、みたいな連鎖になっているので。
肩書きは見てくれてる人が決めてくれたらいい
──なるほど。品川さんのインプットとアウトプットとクリエイティビティーの循環は、SDGsのサイクルに近いかも。「持続可能な品川」ですね。肩書きへのこだわりはありますか?
品川 見てくれてる人が決めてくれたらいいんじゃないですかね。芸人の品川が見たいっていう人はやっぱり『アメトーーク!』とかに出てる、TVでしゃべっている俺が好きって言ってくれて応援してくれてますし、「ゲームをしているところが好きなんで、それ以外興味ないです」という人もいる。TV出れば品川って呼ばれるし、ゲーム実況ではヒロシ、稽古場では品川さんとか先生とかって呼んでくれてますし、映画の現場に行けば監督って言われるから……まずもう毎日、場所によって呼ばれ方が違うんですよ。で、それぞれの僕はもう全くの別人なので、その時々でその場の人たちがそう呼んでくれる自分でいい。「絶対に芸人です」とか「監督なんで」というのはないな。「決めて、そっちで」って思う。だから……世間のみなさんは、なんでそんな肩書きにこだわるんですかね? だってラーメン屋さんも家帰ったらお父さんじゃないですか。子どもにとってはお父さんだし、嫁にとっては旦那だし、地元帰ったら友だちだし。それでいいかなと思います。