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「70歳の美味しい酒のためにはもう喧嘩売らないですよ」 ‟肩書にこだわらない”品川ヒロシが仕事のない時期に得た‟教訓”

品川ヒロシさんインタビュー#2

2021/06/23
note

作品のストーリーと稽古場でのストーリー

──今はストレートに出会いに感謝し、真剣に向き合う、と。

品川 そうですね。だからこうして新たに出会うからには自分の中に「覚悟」みたいなものは生まれます。向こうからしたら「ああ、品川が演出家として来る。映像とかも作っている品川、芸人もやっている品川でしょ」って。もちろん会える喜びも感じてはくれていると思うんですけど、一方で世間が抱いてる「嫌な奴かもしれない」ってイメージとか、もっと言うと「舞台演出が初めて? 大丈夫かなこの人」っていう不安もあると思う。それが作品のストーリーと並行して、お互い現場で対峙するうちに解消していくという稽古場でのストーリーが僕らの中にも流れていくのも面白いじゃないですか。「あ、今心を掴めた」とか「まだ伝わらないな。じゃあ、どうやってこの人の心を掴もうかな」とか、そういう人間関係も含めて互いに今を遊んでる。そんな全部を感じて全部をフィードバックしていけば、舞台自体もとても面白いものになるかなとかって思いますけどね。

 

「自分をいじっている自分」が常にいる

──舞台は、今後新たなフィールドのひとつとしてご自身に定着していきそうですか?

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品川 んー、まだわかんない(笑)。めちゃめちゃ楽しいし、でも今はここに集中してるからまだ次のこと考える段階でもないし。基本的には「もうこれで終わるかもしれない」ぐらいの気持ちでやっています。いや、分かんないですけど、でもある種そういう緊張感がね、1本目にはあっていいかなと。俺も「もう二度とやんない。これで最後にする」って気持ちでやっているほうが、なんか、前向きな気がするんで。

──退路を絶って、役割を全うするのみ。

品川 ま、後付けですけどね、全部。

──品川さん、実はシャイですか?

品川 ……っていうよりは、「自分をいじっている自分」が常にいるのかな。フッ(笑)。

 

(取材・構成:横澤由香、撮影:佐藤亘/文藝春秋)

前編を読む 「嫌ですよね~。あれだけ独特の世界が仕上がっている作品」 芸人・品川ヒロシが「池袋ウエストゲートパーク」で初の舞台演出に挑戦したワケ

INFORMATION

© 石田衣良/文藝春秋/IWGP製作委員会
© IWGP STAGE製作委員会

「池袋ウエストゲートパーク」THE STAGE

■チケット絶賛発売中!
ローソンチケット:https://l-tike.com/st1/iwgp-stage_official

■6月27日(日)17:30の回、ライブ配信決定!
https://eplus.jp/iwgp-st/

【公演概要】
■タイトル:「池袋ウエストゲートパーク」THE STAGE
■公演日程:
東京①公演:2021年6月25日(金)~6月27日(日)/豊洲PIT
東京②公演:2021年7月1日(木)~7月4日(日)/シアター1010
■原作:TVアニメ「池袋ウエストゲートパーク」

■スタッフ:
演出:品川ヒロシ
脚本:毛利亘宏
協力:石田衣良(『池袋ウエストゲートパーク』シリーズ 文春文庫/文藝春秋)

■キャスト:
真島マコト 役:猪野広樹、安藤タカシ 役:山崎大輝/尾崎キョウイチ 役:松本岳、池内ヒロト 役:才川コージ/磯貝トモミ 役:阪本奨悟/サル 役:大原海輝、シャドウ 役:青木玄徳/横山礼一郎 役:久保田秀敏、吉岡刑事 役:大地洋輔(ダイノジ) 他

■公式サイト:https://iwgp-stage.com

■公式Twitter:@iwgp_stage

池袋ウエストゲートパーク (文春文庫)

石田 衣良

文藝春秋

2001年7月10日 発売

「70歳の美味しい酒のためにはもう喧嘩売らないですよ」 ‟肩書にこだわらない”品川ヒロシが仕事のない時期に得た‟教訓”

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