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「70歳の美味しい酒のためにはもう喧嘩売らないですよ」 ‟肩書にこだわらない”品川ヒロシが仕事のない時期に得た‟教訓”

品川ヒロシさんインタビュー#2

2021/06/23

 漫才コンビ品川庄司の品川祐さんは“品川ヒロシ”名義で作家・映画監督としても活躍、数々の人気作を世に送り出しています。そして6月25日に幕を開ける舞台、「池袋ウエストゲートパーク」THE STAGEでは初の舞台演出にトライ。「しゃべっているのと作っているのが好きなだけ」というシンプルな動機で様々な現場を飛び回る中で品川さんが得た、「感謝はするけど期待はしない」の法則とは?(全2回の2回目。前編を読む)

品川ヒロシさん

こんだけいろいろ抱えてると不安に思う時間がない

──一点集中よりもマルチタスク派なんですね。

品川 根本はしゃべってるのと作ってるのが好きっていうだけなんですけどね。でもやっぱり僕、忙しいのが好きなんですよ。例えば舞台の稽古だけに集中できるって環境はすごくいいと思うんですけど、そうするとね、家に帰ってもそのことばっかり考えちゃって……それも「チケット売れてるかな」「お客さんにどう思われるかな」「Twitterに何書かれてるかな」って、ネガティブだけの時間になっちゃう。よくない「暇」ができちゃうんですよね。脚本書いてるだけだと多分「この脚本の企画通るかな、通るかな」って毎日気を揉んでしまうし、映画のプロモーションだけしてると「興行成績大丈夫かな、大丈夫かな」って(笑)。それが、こんだけいろいろ抱えてると不安に思う時間がない。『池袋ウエストゲートパーク』、ばーって集中してやりました、終わって次、今日とかだったらこのあとYouTubeの撮影に映画のプロモーションを兼ねて行かせてもらう、それを「わー」ってやりましたっていう集中の連続をやってれば不安に感じる時間がなくなる。それが僕は好きみたい。

 

 その中のどっかでムカつく奴がいても「あのドラマの脚本に書いちゃえ」みたいに思えるし、誰かに助けてもらう瞬間があれば……そういうこと書くと「きれいごとばっか言ってるな。世の中そんないい奴ばっかじゃないよ、リアリティねえな」って言う人もいるんだけど、僕的には「本当に自分が体験してんだよ。ほら、こんな時に駆けつけてくれる人いるし」って。忙しいとね、いろんなリアルに出会って、それがやがてまた作品になったりするんです。なんか……時間が早く過ぎてほしいって気持ちもありますね。なので周りの人、スタッフさんにもスピードを求めてます。何かお願いしてすぐに取りかかれないようだったら「じゃ、他のことやっちゃうからね」。俺これだけじゃないから、待ってる時間無駄だからって、気持ちが次のところにいっちゃって、待つくらいなら自分はそっちをどんどん進めちゃう。