JKカフェでのバイトを両親は公認
父親は飲み屋を経営、母親は介護職をしている。定時制高校に通っていたが、1年の終わりに中退した。兄弟はいない。
「理由は、授業が夜なので、友達と遊びたいしそれに、ヴィジュアル系バンドが好きなのでライブに行きたかったから。月平均20万の稼ぎは、名阪ツアーの追っかけをしたり、全てヴィジュアル系に使ってた」
その資金を稼ぐために裏オプする。地元の幼馴染からの紹介でAへ。親には「JKカフェで働いている」と嘘をついている。これは、取材した少女たちの多くが口にした手口だ。しかし母親は「メイドカフェみたいな店でしょ?」と公認しているという。
が、このJKカフェが裏オプへの入り口になっている。そんな内情を知ってか知らずか、水商売をしている父親も「まあ好きにしたら」と放任した。
「ダメ親だって思ってるんでしょ? 私もそう思う。だって高校を中退したことだって何も言われなかったし。まあ、もう中学生の頃からあまり授業に出てなかったから『どうせ続かない』と言われていましたからね」
「親に怒られたことは?」
「よく『だらしない』って怒られます。部屋が汚いから『片付けなさい』とか。夜中まで起きてて、昼間まで寝てるし。あと夜遊びも、度がすぎると怒られます。外泊しても怒られないけど、3日とか連続だと」
「もっと本気で怒られたことは?」
「中学生の時ならある。親の財布からお金を盗んで、大阪にヴィジュアル系のライブに行ったことがバレて。朝4時に思い立って、3万抜いて、そのまま新幹線に乗っちゃった。そんなことが4回くらい。それだとバレるって気付いたから、3回目からは『友達とディズニーランドに行く』って嘘をついて、お小遣いをもらうようにして。それも、実際は大阪に行ってるわけで、その日に帰ってこないからバレて」
放任主義を利用してさらにアクセルを踏む
決して無関心な親というわけではない。事実、こうして生活態度を正したり軽犯罪を咎めたりすることは、アカリの意思を尊重しているとも言える。
しかしアカリは「我慢することが嫌いなんです。自分の好きなことだけをしていたいんです」と、その放任主義を利用してさらにアクセルを踏むだけだった。
「好きなことのためにやってること。周りもやってるし。でも、多分、周りがやってなかったら私もやってない。紹介してくれた幼馴染みとか、ヴィジュアルやジャニオタ友達とか。そのジャニオタのコとは、たまたまお店で友達になった。だから、自分としては、好きなことのためにカラダを売ることは悪じゃない。それに、いくら勉強してもすぐにお金になるわけじゃないから、我慢してまで学校に行きたくない」