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保守派は元慰安婦問題を「希望拷問」と批判
下級審で覆った判決が、これから二審、三審と上級審に進んだ際、どのような判断がされるのか。最高裁で新しい判決が出る可能性がないとは言いきれないといわれるが、その可能性はかなり低いように見える。そして、新しい判決が出たとしてもおそらく結論は憲法裁判所まで持ち越されるだろう。
韓国では「希望拷問」という言葉がたびたび使われる。これは、保守・中道系が使う言葉で、可能性の低い、またはないものをあたかも可能性のあるように思わせて空しい希望を与えるのは拷問に等しい、という意味だ。元徴用工、元慰安婦問題はこれに当てはまるのではないかとも言われてきた。日韓間で外交的には解決できないことがわかっていながらも解決できると希望を与えているのではないかと。
被害者第一主義の立場に立つ韓国では、被害者が高齢者になっていることを考えれば、1人でも多くの被害者を救済するための手立てを打つべき時が来ていることは明らかだ。そして、1965年の日韓請求権協定で解決済みとする日本とて、ただ解決済みという言葉を繰り返すだけでは十分な対応とはいえないだろう。
日韓は中国の脅威、北朝鮮の核・ミサイル問題など共有できる利益がある。韓国にも、日本にも、現実的なアプローチが求められている。