キラキラと降り注ぐ照明の下、一糸まとわぬ姿であでやかに舞う踊り子さんたち。

 昨今のストリップ劇場は、かつての昭和なイメージとは違って、大きな変化を遂げている。エアリアルシルクといってサーカス顔負けの布を使った空中芸が飛び出したり、世界的なバレエコンクールのセミファイナリストが活躍する場ともなっている。女性ファンも多く詰めかけ、その幻想的な美しさに思わず目を潤ませる人も少なくない。

 そんなストリップ劇場の最古参で、最大規模の劇場として君臨するのが浅草ロック座だ。浅草の演出は華麗で芸術性も高く、今や男女問わず多くのファンを魅了し続けている。

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©️iStock.com

 そんな浅草ロック座に、令和の人気女優が立つ。かつてはグラビアアイドルとして一世を風靡し、トップAV女優としてのキャリアを積み重ねてきた松本菜奈実さんだ。

 松本さんは、なぜロック座の舞台に立とうと思ったのか――。7月に浅草ロック座での公演を控える彼女とともに、ストリップの今を追った。(全2回の1回目/後編を読む)

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「あまりに神々しくて圧倒された」初めて見たストリップ

 松本さんがロック座に行ったのは、今から3年ほど前だ。同じ事務所の後輩が浅草でデビューするので、見に行ったのが初めての「洗礼」だったという。

松本菜奈実さん ©️文藝春秋

 

「ストリップに対しては、実際に劇場で見るまでは『人の裸を見るなんて恥ずかしそう』というイメージしかなかったんです。だけど一回見たら、イメージがガラッと変わりましたね。あまりに神々しくて、圧倒されました。女性の神秘というか、人間って美しいなと思ったし、生命力も感じた。人が生きているってすごいと思いました。ストリップという世界はけっしてエロだけで成り立っているものじゃないんだなと知ったんです」