キラキラと降り注ぐ照明の下、一糸まとわぬ姿であでやかに舞う踊り子さんたち。

 昨今のストリップ劇場は、かつての昭和なイメージとは違って、大きな変化を遂げている。エアリアルシルクといってサーカス顔負けの布を使った空中芸が飛び出したり、世界的なバレエコンクールのセミファイナリストが活躍する場ともなっている。女性ファンも多く詰めかけ、その幻想的な美しさに思わず目を潤ませる人も少なくない。

 そんなストリップ劇場の最古参で、最大規模の劇場として君臨するのが浅草ロック座だ。浅草の演出は華麗で芸術性も高く、今や男女問わず多くのファンを魅了し続けている。

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 そんな浅草ロック座に、令和の人気女優が立つ。かつてはグラビアアイドルとして一世を風靡し、トップAV女優としてのキャリアを積み重ねてきた松本菜奈実さんだ。

 松本さんは、なぜロック座の舞台に立とうと思ったのか――。7月に浅草ロック座での公演を控える彼女とともに、ストリップの今を追った。(全2回の2回目/前編を読む)

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浅草ロック座にもある“体育会系”的上下関係

 浅草ロック座では、“群舞”と呼ばれる他の踊り子やダンサーとの共演がある。踊り子同士の横の連携やチームプレイも必要なので、人間関係も大切になってくる。それは、良くも悪くも女優が主役となるAVとは、大きく異なる部分でもある。松本さんは、これまでの世界との違いに不安はないのだろうか。

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「私、中学校高校大学とずっと体育会系だったんですよ。先輩とか後輩の上下関係がめちゃめちゃ厳しかったんです。ロック座も上下関係があると後輩からも聞いていますが、そこはやっていける自信があるので、心配はないかと思います」

 そう力強く答えてくれた松本さんにホッとする。しかし、戸惑いもあるという。それはAVとストリップの見せ方の違いだ。

「AVの撮影だと、やっぱり男性に“抜いて”もらうことを一番に意識するんです。どれだけ抜かせられるかという気持ちで挑んでいる。でもストリップだと、抜かせることは最終目的ではない。お客さんを感動させたり、楽しんでもらうことを意識しなきゃいけない。同じ裸になるのに、全然違うんです」