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「AV女優としてのキャリアが5年。新しいことに挑戦したくて」

 実は松本さんのようにストリップ劇場に足を運んで、それまで抱いていたイメージと変わったという人は男女ともに多い。もちろん中にはエロティックさを前面に打ち出した演出もある。しかし、それも含めて基本的にストリップは女性の肉体美を堪能する世界だ。

 アイドルのような可愛らしさを前面に出した演出だったり、着物を身にまとい、しっとりとした和の物語に沿った演出だったりと、「裸」を通じた表現の幅はとにかく広い。

©️文藝春秋

 松本さんもそんなストリップの魅力に惹かれて、ストリップ劇場に足を運ぶようになった。だから先日社長から、「ストリップをやってみない?」と打診を受けたときも、抵抗感は無く、むしろ「面白そう」と感じたという。

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「昔からステージに立つのがすごく好きだったんですよ。AV女優としてのキャリアが5年くらいになるので、新しいことに挑戦したくて、もうひと風吹かせる年にしたいと思っていた。ちょうどそのときに浅草の話が来たんです。過去に何回かステージを見ていたので、ぜひやってみたいと思いましたね」

芸術やエンタメの色合いが強い浅草のストリップ

 浅草が他のストリップ劇場と何よりも違うのは、1つの公演に一貫したテーマがあり、それをプロのダンサーたちが支えている点だ。4人のプロのダンサーの参加により、より舞台にキレと華やかさが増し、芸術やエンターテイメントとしての色合いが強いのが浅草の特徴でもある。

©️文藝春秋

 ただその分、踊り子にとってはハードとなる。浅草ロック座では、約1時間40分の公演を1日4回(コロナ前は5回)、20日間ぶっ通しで行う。激しいダンスを毎日それだけの日数こなすのだから、アスリート並みの凄まじい運動量が要求される。さらに公演の直前の集中練習では、振りつけを体に叩きこまなければならない。