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「公演の2週間前くらいから詰めて練習していくので、実際、練習時間が足りないんですよ。ダンスに関しては、私は普通の人より少しできるぐらいのレベルなんです。だから、ついていけるか、その怖さや不安はありますね。踊り子さんは疲れちゃって、疲労骨折をする人もいるみたいです。先輩に聞いたのですが、20日間の折り返し10日目くらいが体力とメンタル共に一番くるので、そこを乗り越えられるかだとおっしゃっていましたね。一発目から100%を見せられるか不安ですが、全力を出し切りたいと思います」
たとえダンスがつたなくても…?
踊り子さんの中には、確かにダンスなどこれまでほぼ未経験に近い女性もいる。
ただ、そんな踊り子さんに対しても、往年のストリップファンはとても寛容だ。ストリップはたとえダンスがつたなくても一生懸命ステージで頑張っている姿勢が評価される。少し一般の尺度とは違う世界でもある。
常連さんたちは、デビューした新人の踊り子さんを「舞台に立ってくれてありがとう」という気持ちで、優しく迎える雰囲気がある。濃密でハードな20日間の公演をやり抜いた踊り子さんの成長を見届けるのも、ストリップの醍醐味なのだ。(後編へ続く)
撮影=石川啓二/文藝春秋
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