きょう10月23日は、お笑い芸人の渡辺直美の誕生日だ。1987(昭和62)年台湾生まれ、茨城県育ちの30歳。NSC(吉本総合芸能学院)出身で、2007(平成19)年にデビューしてから今年でちょうど10年を迎えた。最近ではバラエティ番組だけでなく、ドラマ『カンナさーん!』(TBS)に主演するなど女優としても注目される。

 2008年の正月番組で披露したビヨンセのモノマネにより一躍ブレイク。ビヨンセの歌に合わせて、口パクで絶唱するさまを真似するという芸はたしかにインパクトがあった。ただし、もともとコントをやりたかった渡辺には、「ビヨンセだけの芸人」と言われるのはつらかったという(『AERA』2017年9月25日号)。2011年にコント番組『ピカルの定理』(フジテレビ)にレギュラー出演したのを機に、自分がやりたいのはコントだとあらためて実感し、演技力や表現力を磨くようになる。2014年には3ヵ月間、ニューヨークに語学留学。昨年秋には、ニューヨーク、ロサンゼルス、母の出身地でもある台湾の台北をまわるワールドツアーを敢行した。海外でもビヨンセのモノマネは大ウケだったとか。

海外でも注目を集めている ©getty

 デビューしたころ、女芸人の髪型といえばショートカットが定番というなか、渡辺は髪にエクステをつけて巻き、ヒールを履いて稽古場へ出かけていた。それに対し「エクステとかつけて、女じゃねえんだから!」と理不尽に怒られることもあったらしい。しかし、あるときから開き直って、好きな格好で通い続けるうち、それが彼女らしさとして徐々に受け入れられていったという(『婦人公論』2017年8月8日号)。

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 ファッションへのこだわりは、アパレルブランド「PUNYUS」のプロデューサーを務めることにもつながった。また最近では、インスタグラムが、国内の芸能人では最多の700万人超にフォローされ、「インスタの女王」とも呼ばれている。「人が笑って楽しいと思えば、表現者としての『芸』があるということ。そういう芸があればいいんじゃないかと思います」と自ら語るとおり(『AERA』2017年9月25日号)、渡辺の「芸」は、お笑いの枠にとどまらず、どんどん広がりつつある。