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2017/11/01

中学校からでは遅い!?

 開催したのは、広島県神石高原町を拠点に教育プログラムの開発などを行う「株式会社 次世代教育環境開発(NEED)」です。小学校教育にスポットをあてた理由を、自身の息子もスイスのボーディングスクール(全寮制の学校)に通わせている代表取締役社長の末松弥奈子さんは、次のように語りました。

「息子が通っていた学校の校長先生から、『海外に行かせるのなら、中学生からでは遅い』とうかがったのです。日本で小学校教育を受けてしまうと、いいアイデアを持っていてもみんなと違うことを恐れて発言できない子になってしまうと……。その辺から、日本の小学校教育って何だろうと思い始めたんです」

次世代教育環境開発社長の末松弥奈子さん

 国際社会で生きていくうえでは、多様な環境を受け入れ、自分の意見を言えることが大切とは良く聞きますが、中学校からでは遅いとは衝撃的です。クリエイティブでチャレンジングなマインドを制限しない初等教育が大事と聞き、私自身子どもの小学校選びを考えてしまいました。

義務教育と国際バカロレアのブレンディング

 セミナーで最初に登壇した、IB教育の第一人者で「東京インターナショナルスクール」理事長の坪谷ニュウエル郁子さんは、日本の教育の強みと弱み、これからの教育について次のように語りました。

 日本の教育の強みは、OECDが定期的に実施する国際学習到達度調査(PISA)で、常に上位に入っているように、基礎学力が優れていること。また給食当番や掃除を全員で同じようにやることで、公共精神が養われること。震災時に暴動がおきなかったのも、瞬時に相手を考える日本教育のたまものだそうです。

 反対に弱いところとしては、高校生の70%以上が自分をダメだと思っているという調査結果を紹介されました。謙譲精神があることも理由でしょうが、自己肯定感が低く自信がない傾向があるそうです。発信力が弱いことも弱点として挙げました。

 坪谷さんが考えるこれからの教育は、日本の教育とIBのブレンディング。双方の良いところをバランス良く取り入れることだそうです。

日本の教育とIBの違いを解説する坪谷ニュウエル郁子さん