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空気音と固体音の違い(提供:ピアリビング)

ーー空気音と固体音は聞き分けられるの?

どちらにも当てはまる場合が多いです。例えば、エレベーターや換気扇、トイレやシャワーの音は壁や配管を通して振動が伝わるので、固体音となりますが、振動を伝えるだけでなく、室内へも音を発生させています。これは空気音として伝わります。

また、楽器の音やテレビ・ステレオの音は空気音ですが、ピアノやドラムなどの床に設置する楽器、スピーカーから床に伝わる音などは、固体音としても伝わります。ただ、空気音は壁や床で遮られ、隣の住戸まで届きにくいため、固体音として伝わる音のほうが問題になります。

スピーカーなどで床に伝わった振動は固体音にもなる(画像はイメージ)

気軽にできることも!対処法はいろいろ

ーー騒音の発生源とならないためのポイントは?

空気音には「遮音・吸音」が有効です。遮音は音を遮り、部屋の音を外に出さない・外の音を部屋に入れないこと。吸音は音を吸収し、音が響くのを抑えることです。例えば、遮音性が低い場所を遮音材や吸音材でふさぐことで軽減できます。

固体音には「防振」が有効です。これは振動の伝達を少なくすることで、音が発生する部分に振動を吸収・緩和できる素材をつける方法があります。例えば、クッション性のある軟らかいマットやカーペットを敷いたりすることで軽減できます。

防音マットなどでも対処できる(提供:ピアリビング)

ーー手軽にできる対策方法はある?

空気音だと、まずはテレビなどの音漏れです。スピーカーの位置が隣の部屋に近いと伝わる可能性が高いので、壁と面していない場所に置いたり、音が漏れやすい窓からは離すようにしましょう。手元で聞けるスピーカーに変えるのもよいです。

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隣の壁に近いときは離してみよう(画像はイメージ)

床や窓にも注目です。フローリングのままだと部屋内の音が反響して伝わりやすいので、厚手のカーペットやラグを敷いたり、窓に厚手のカーテンを設置することで軽減できます。空気音は窓やドアの隙間から伝わりやすいので、こうした隙間をふさぐのも効果的でしょう。

厚手のカーテンで隙間をふさいでもいい(画像はイメージ)

固体音の対策だと、椅子を引きずったりする音は下階に伝わりやすいので、脚部分にカバーを付けるだけでも効果があります。ドアや引き戸、キッチンや洗面台の扉を閉めるときも音が発生しやすいですが、扉が当たる部分にクッション性のあるテープを貼ると軽減できます。